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友と貴い心を分かち合いたい季節

Posted April. 03, 2023 08:48,   

Updated April. 03, 2023 08:48

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「茗禅(茶を飲み、禅の道に入る)の草衣が自ら作った茶を送ってきた。蒙頂茶や露芽茶に劣らない。この文を書いて答礼とする。白石神君碑の筆意で書く。病居士の隷書で書く」(阮堂・金正喜『茗禅』)

済州に流刑中だった阮堂(ワンダン)金正喜(キム・ジョンヒ、1786~1856)先生が、唐の禅僧で茶文化の先駆者である茗禅の草衣禅師(1786~1866)に感謝の気持ちを込めて書いた文だ。草衣と阮堂は生涯の友だった。二人は身分は違えど、芸術、学問、茶道を通じて深い友情を交わした。この文から、互いの文字と茶を大切にして愛した二人の心が伝わってくる。「茗禅」は阮堂の50歳頃の作品で、阮堂の現存する最も大きな字であり、まさに最高傑作と言える。

阮堂は友人が作った茶を中国の伝説的な名茶である蒙頂や露芽に例えて賞賛する。ついには、茶を一口飲んだことが自分を禅の境地に導いたと告白する。

この作品を初めて直接見たのは1980年代半ばのある初夏、当時高校生だった私は城北洞(ソンブクトン)の北壇荘の葆華閣の1階の展示室でこの文に出会った。大きな「茗禅」の字はもとより両側に書かれた内容は、私の心に火をつけた。

友人から贈られた茶に深く心酔し、禅の境地に至るとは....。その心がすばらしく思えた。幼心にも、阮堂の字を真似てみた。家で購読していた東亜(トンア)日報の古新聞に墨をすって筆で書き、一人でほくそ笑んでいた。

その時の「私の草衣禅師」は、美術史学者のスアム、イ・ウォンボク先生だった。「茗禅」を見るように私の手を引いた先生は、私のカトリック洗礼の際の代父でもある。阮堂の心で今日は茶の代わりに酒を一本持って先生を訪ねたい。長年の友と貴い心を分かち合うのにこれほど良い季節はないだろう。窓の外を見ると、いつの間にか桜が満開になっていた。