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ナチスに同調したドイツ人の本音は何だったのか

ナチスに同調したドイツ人の本音は何だったのか

Posted April. 01, 2023 08:35,   

Updated April. 01, 2023 08:35

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現代社会では、幸福は個人が最終的に追求する人生の価値として考えられているが、過去には公的な活動を通じて得られる感情を指していた。怒りは昔は神の感情とされ、個人が表現する怒りは狂気とみなされたという。

恐怖、孤独、幸福など、私たちが抱く感情の起源は何だろうか。私たちはどんな時に幸せを感じ、悲しみを表現してきたのだろうか。各時代を代表する感情は何であり、時代によって感情の意味はどのように変化してきたのだろうか。感情史はこのような問いに答える学問である。

東亜(トンア)大学歴史学科教授でナチズム研究に没頭してきた著者が、16世紀初頭から1970年代までの約500年間のドイツ社会を代表してきた感情の歴史を掘り起こした。近代医学の先駆者とされるパラケルスス(1493~1541)が16世紀に残した論考や手紙から、19世紀の企業家ヴェルナー・フォン・ジーメンス(1816~92)の回顧録、20世紀の学者たちのナチズム研究まで、膨大な資料にあたる。

近代ドイツ社会を貫く感情は恐怖だった。宗教改革者マルティン・ルター(1483~1546)が1529年に作成した『小教理問答』には、「神を畏れなければならない」という内容が繰り返される。当時の予言書や占星術には、共通して災難と終末論が含まれた。恐怖が当時の宗教と結合し、個人の内なる感情の表出を抑制する道徳的な装置として機能したのだ。著者はこのような分析を通じて、「16~18世紀の感情は宗教および道徳的規律の装置だった」と指摘する。しかし、宗教戦争の時代だった17世紀からは、「感情レジーム(規範の枠組み)」の変化が確認される。この時期のある宮廷人の日記には、それまでの時代には見られなかった悲しみ、愛についての直接的な表現が登場する。

19、20世紀には信頼、忠誠、喜びなどの感情が労働の動機を刺激する資本主義の生産資源となった。この時期の感情は「労働の喜び」に集約される。著者が読んだジーメンスの回顧録では、「人間が企画し、行動し、成果として得る行為」である労働は喜びと結びついていた。この概念は、著者の主専攻であるナチズムともつながる。1933年に政権を握ったナチスは、労働組合をなくした後、「労働戦線」を組織し、その傘下に「歓喜力行団」を設置した。さらに、信頼、忠誠、名誉など感情を核とする労働法を制定した。著者は、「ナチスの労働法は感情法だった」と強調する。

ナチス政権下のドイツの一般人の感情はどうだったのか。著者は「冷静な熱狂」だったと分析する。1938年、ドイツ国民の3分の2が一つ以上のナチス組織に属していた。40年にドイツのベストセラー作家ハインリヒ・シュペールが出版して旋風的な人気を博した小説『ガス屋クニッテル』で、当時のドイツ人の本当の感情を垣間見ることができる。小説の中の人物は、表向きはナチス独裁に同調するが、自分の尊厳を守るために冷静さを保つ。その冷静さの根底には、国家に対する恐怖があった。ドイツ人の冷静さと恐怖は、60年代後半から温かさと真正性という新しい感情につながる。

感情の歴史を紐解くと、感情とつながった社会とその中で生きる私たち自身を振り返ることになる。著者はこれを「感情の歴史は私の感情を相対化する」と表現した。怒りと嫌悪に代表される今日の韓国社会の感情はどこから生まれたのか、本を読んでじっくり考えて見る。


チェ・フンジン記者 choigiza@donga.com