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深刻な地震被害のシリア、反体制派地域の国境閉鎖で支援届かず

深刻な地震被害のシリア、反体制派地域の国境閉鎖で支援届かず

Posted February. 09, 2023 08:51,   

Updated February. 09, 2023 08:51

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2500人以上が死亡するなど深刻な地震被害を受けたにもかかわらず、シリア政府が国境を開放しないため、国際社会の支援要員や救援物資が事実上無駄になっている。シリア北西部地域の住民の90%が深刻な危機に陥るとみられている。

7日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズなどは、アレッポ、ハマ、ラタキアなど今回の地震被害を受けたシリア北西部の主要都市に国際社会の救助の手がほとんど届いていないと報じた。トルコ南部から反体制派が支配するこれらの地域への唯一の輸送路が地震で遮断され、外部の支援が事実上断たれたためだ。

同紙によると、シリアのアサド政権を軍事的、経済的に支援しているロシアは、2021年、反体制派が支配するシリア北西部への国境をすべて遮断した。ただし、海外救援団体がアクセスできる国境通路として、バブアルハワだけ残していた。しかし、6日の地震で、バブアルハワに向かう道路が破損して閉鎖され、外部支援が届く唯一の道が閉ざされた。同紙は、トルコ側からバブアルハワに向かう道路では、建築資材や救援物資を積んだ車両が立ち往生していると伝えた。このため、被害が深刻なシリア北西部地域の救助活動は、民間人で構成された「ホワイトヘルメット」と呼ばれるシリア民間防衛隊(Syria Civil Defense)によってのみ行われている。ホワイトヘルメット関係者は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに、「瓦礫の中から助けを求める声が聞こえるが、できることは何もない」と話した。

バブアルハワ以外の国境通路を開放していないアサド政権は、国際社会に援助要請もしていない。反体制派地域の地震の被害状況に目を向けていないのではないかという批判が起きている。米国と欧州連合(EU)諸国がシリアに救助隊の派遣を申し出たが、シリア政府は特に反応を示していない。ドイツのベアボック外相は、「トルコとシリアの国境の全面開放」を求めた。


ユン・ダビン記者 empty@donga.com