ウクライナが、ヘルソン南部要衝地のキンブルン半島をほぼ奪還し、安定した反撃の橋頭堡を確保した。22日、海外メディアによると、ミコライウ州知事のヴィタリ・キム氏はツイッターに、「私たちはこの地域(キンブルン半島)の支配権を回復しつつある」とし、「3つの集落を奪還すれば地域全体がウクライナの管理下となる」と明らかにした。
南部ミコライウ州(キンブルン半島)は、ヘルソンを横切って黒海につながるドニエプル川の下流にある。ロシアが2014年に一方的に併合したクリミア半島から300キロほど離れており、ウクライナの主要港都市と黒海を結ぶ水上交通の要衝地だ。ロシア軍が、今月初めにヘルソンから退却した後、ドニエプル川の東に構築した防衛線からわずか数十キロしか離れていない。
ウクライナのヘルソン制圧後、ドニエプル川東地域を奪還したのは初めて。米紙ニューヨーク・タイムズは、ウクライナがキンブルン半島を完全に確保するか否かによって戦争の行方が変わり得ると見通した。米紙ロサンゼルス・タイムズは、「クリミア半島を取り返す念願も蘇った」と報じた。
徐々に戦果を得ているものの、問題は天候だ。今年2月のロシアの侵攻後、初の冬が迫り、多くの住民が凍死することが懸念されるなど、人道上の危機が迫っている。ロシアがミサイル攻撃で電力施設を集中的に破壊し、ウクライナ全域で計画停電が続く中、首都キーウは同日、雪に覆われ、気温はマイナス4度まで下がった。東部ドネツク州の80代の住民は米CNNに、「ガスが断たれ、温熱器一つで耐えている。電気まで使えなくなれば、コートを着て毛布を覆って寝なければならない」と訴えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、フランスの全仏市長会(AMF)の画像演説で、ロシアがウクライナのエネルギーインフラを破壊したと批判し、「クレムリンは、冬の寒さを大量破壊兵器に変えようとした」と非難した。ウクライナ当局は、住民数百万人が来年3月末まで電力と水の供給が断たれた生活を強いられる可能性があると見ている。
洪禎秀 hong@donga.com