
キッシンジャー元米国務長官(99・写真)が、中国の習近平国家主席が16日の中国共産党第20回党大会で3期目を確定すれば、ロシアのプーチン大統領との関係を整理して米中関係の修復に乗り出す可能性があると主張した。
キッシンジャー氏は3日、米ニューヨークで開かれたアジアソサエティの会議で、「習氏はロシアのウクライナ侵攻が成功することを期待し、プーチン氏に『白紙小切手』を与えた」とし、「しかし、もはや調整が必要だろう」と述べた。ロシアが予想外に苦戦しているうえ、最近戦術核兵器の使用を示唆しなければならないほど戦況が不利になったためだという。台湾メディアはこの発言を報道し、「中国とロシアはかつて『制限のない友情』を誇示したが、今は限界に直面した」と分析した。
キッシンジャー氏は、「習氏は3期目確定後、米国との関係改善に乗り出すだろう」とし、「その最初の試みは、11月にインドネシアで開かれる主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)でなされるだろう」と見通した。習氏が、ウクライナ戦争に何らかの形で関与し、その際、米国と協力を図る可能性があると指摘した。
ただし、キッシンジャー氏は、「米中の緊張が緩和しても、中国は軍事力の増強を続け、内部的には民族主義をさらに強固にするだろう」と見通した。
金祺容 kky@donga.com