「テニス皇帝」ロジャー・フェデラー(41=スイス)がライバルのラファエル・ナダル(36=スペイン)とペアを組んで臨んだダブルスの試合を最後に24年間のプロ選手生活に幕を閉じた。フェデラーは試合後、コートインタビューで涙を流したが、横で見守っていたナダルも泣いた。
二人は24日、英国ロンドンで行われたレーバーカップ(杯)ダブルスでペアを組んで出場した。レーバー杯は欧州選抜と欧州を除いた世界選抜による対抗戦だが、欧州選抜として出場したフェデラーとナダルは、世界選抜のフランシス・ティアフォー&ジャック・ソック組(二人とも米国)に1-2(4-6、7-6、11-9)で敗れた。
フェデラーは最後の公式戦を終えた後、「テニスシューズの紐をもう一度結ぶことができて嬉しかった。すべてが最後だった。ナダルと同じコートでプレーできたことに感謝した」と話した。妻の話をする時は涙を見せた。フェデラーは、「妻の支援があったから今まで選手生活を続けることができた」と涙を流した。見守っていたナダルも一緒に泣いた。試合が行われた02アリーナを埋め尽くした1万7500人の観衆は立ち上がって拍手を送った。
ナダルは試合後の記者会見で、「長い間一緒にしてきたフェデラーが去るのは私の人生でも大きな部分が離れていくのと同じだ」とし、「人生の重要な瞬間ごとに私のそばや前にはフェデラーがいた。今後も忘れられない瞬間だ」と語った。二人はこれまで四大大会の決勝だけでも9度対戦し、計40回対決したライバルだった。対戦成績はナダルが24勝16敗でリードしている。四大大会ではナダルが男子歴代最多の22勝を誇り、フェデラーは20勝を挙げた。
フェデラーは2021年6月、ウィンブルドン準々決勝以降は膝の負傷で試合に出られなかった。これ以上出場が難しいと判断したフェデラーは、ランキングポイントがかかっている男子プロテニス(APT)ツアーの舞台ではなく、チーム対抗戦のレーバー杯を引退舞台に選んだ。膝の状態が依然として良くなく、シングルスには出場せず、ダブルス1試合だけに出場することにした。ナダルは10月に出産予定の妻が妊娠関連合併症で最近入院している状態だが、フェデラーの引退試合のためロンドンに飛んできた。ナダルはフェデラーと呼吸を合わせたダブルスに出場した後、妻のそばを守るためスペインに戻った。
任寶美 bom@donga.com