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発達障害ゴルファーのイ・スンミン、米国パラ大会で初代王者に

発達障害ゴルファーのイ・スンミン、米国パラ大会で初代王者に

Posted July. 22, 2022 09:28,   

Updated July. 22, 2022 09:28

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「すみません。すみません。すみません」

テレビ連続ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の主人公のように自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)の診断を受けた人たちは同じ言葉を何度も繰り返す。パク・ジエさん(56)は同じ診断を受けたことがないのに、同じ言葉を繰り返した。先天的な発達障害を持つ息子のイ・スンミン(25)が学生時代にゴルフ大会に出て、毎回プレーが遅れてできた癖だ。「他の人に被害を与えてまでして、いつまでゴルフをやらせるつもりか」と嫌味を言われても返す言葉がなかった。

米国に住んでいた子供の頃、イ・スンミンはいつも鼻に土がついていた。裏庭で芝生を一握り抜いて香りを嗅ぐ癖があったからだ。息子は香りを嗅ぐだけで芝生の種類を当てる「能力」の持ち主だった。イ・スンミンが芝生を愛するようになったのは、「ゴルフ皇帝」タイガー・ウッズ(47)のプレーがきっかけになった。同年代より集中力が落ちていたイ・スンミンは、テレビにウッズが出る時は画面にくぎ付けになった。イ・スンミンは、「芝生の上にをボールがシューンと飛んでいく場面を見ると、本当に気持ちが良かった」と話した。

イ・スンミンが本格的にゴルフを始めたのは、韓国に帰ってきた中学1年生の時だった。パクさんは「僕これやりたい」という息子の言葉から希望を見つけることにした。イ・スンミンは、「学ぶ速度は遅いが、一度覚えたことは忘れない選手だった。そして2017年、発達障害選手としては初めて韓国プロゴルフ(KPGA)正会員資格を得た。今度は「申し訳ない、ありがとう」という息子の言葉がパクさんの涙腺を爆発させた。翌年、DB損害保険プロミオープンで予選通過に成功し、自身初の賞金189万ウォンを獲得した時も同じだった。

プロになてからウッズとマスターズで一緒にプレーすることを夢見ていたイ・スンミンは20日、大仕事をやり遂げた。米国ゴルフ協会(USGA)がノースカロライナ州にあるパインハーストリゾートで開催した「USGA Adaptive Open」で初代チャンピオンになったのだ。同大会は年齢と障害の種類によって異なるコースで3ラウンド54ホールを回った後、合計打数で順位を決める。イ・スンミンはフェリス・ノルマン(25・スウェーデン)と同じく3アンダーでフィニッシュした後、プレーオフの末に優勝した。

幼い頃から「障害者」とからかわれたが、イ・スンミンの優勝の秘訣も2016リオデジャネイロ・パラリンピックのフェンシングエペ金メダリストのパク・サンヨン(27)のそれと変わらなかった。イ・スンミンは、「『僕はできる』を6回叫んだら、本当にできた」と語った。


黃奎引 kini@donga.com