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対中貿易「28年間の黒字」に亀裂の兆し、市場多角化に死活をかけるべきだ

対中貿易「28年間の黒字」に亀裂の兆し、市場多角化に死活をかけるべきだ

Posted July. 13, 2022 08:59,   

Updated July. 13, 2022 08:59

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関税庁は11日、今月1~10日の対中輸出入の実績を暫定的に集計した結果、赤字規模が8億ドルに達したと発表した。今年5月と6月に対中貿易でそれぞれ11億ドルと12億ドルの赤字を出したのに続き、3ヵ月連続で赤字基調が続く公算が大きくなっている。1994年8月以降、28年間続いてきた対中貿易の黒字基調に亀裂が生じたのだ。

今の対中貿易の赤字は一時的な現象ではなく、構造的な問題から始まったものだ。過去、中国は韓国から中間材を持ち込んで完成品を作って、第3国に輸出する垂直的な分業と労働集約的産業構造に留まっていた。しかし最近、技術力の向上で独自に部品調達と完成品の生産が可能な先端製造業中心の国家に変わっている。メモリー半導体や携帯電話の部品など、韓国の主要輸出品が中国内で占める割合が激減し、赤信号が灯って久しい。一方、中国製の二次電池と石油化学製品、繊維類の国内輸入規模は大きく伸びている。

韓国輸出の支えである対中貿易の赤字が長期化すれば、全体貿易収支の赤字が固定化し、ただでさえ低迷している成長率がさらに急落することになる。今年に入ってから今月10日までの貿易赤字は159億ドルで、すでに史上最大値に達している。対日貿易赤字が慢性化した状態で、米国も設計から生産まですべての過程を自国内で終わらせようとする動きを見せている。

過去には、他の地域で赤字が出ても対中黒字で挽回することができたが、今は中国との交易で利益を残すこと自体が容易ではない。さらに現在、国内メーカーはコア素材と汎用製品の相当部分を中国から持ち込んでいる。輸出が低迷している上、対中輸入の依存度まで高い状況となっている。サプライチェーンに問題が生じれば、第2の尿素水事態が起きる可能性がある。

今は中国の産業構造が急変するだけでなく、新冷戦で世界が西欧と非西欧に分かれ、貿易の勢力図そのものが変わっている。新型コロナ以降、物流難で主要原材料や部品を適時に調達できない供給衝撃も日常化している。過去のような交易方法では、世界市場で競争しにくい。韓国は素材・部品・装置など、高付加価値産業を中心に中国と技術格差を広げると同時に、新しい貿易市場を開拓する必要がある。一部の品目と特定国に集中している貿易構造を変えるのに、死活をかけなければならない。