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韓銀「ドル高で物価上昇の圧力」、さらなる利上げを示唆

韓銀「ドル高で物価上昇の圧力」、さらなる利上げを示唆

Posted June. 10, 2022 09:07,   

Updated June. 10, 2022 09:07

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最近の対ドル・ウォン相場は、グローバル金融危機以降、最も早いペースでウォン安が進み、物価を引き上げているという分析が出ている。韓国銀行(韓銀)は、「当面、物価を中心に通貨政策を運用する必要がある」とし、年内に3、4度のさらなる利上げを実施する考えを示唆した。

9日、韓銀が国会に提出した通貨信用政策報告書によると、ウクライナ事態以降(2月25日~5月20日)、ウォン安は1日平均1.15ウォンのペースで進み、世界的な金融危機以降のウォン安期では最も速いペースだった。ウォン相場の物価上昇への寄与度は、今年第1四半期(1~3月)の消費者物価の上昇率(3.8%)の9%水準だった。物価が1万ウォン上昇した場合、このうち900ウォンはウォン安が原因だったことを意味する。

ウォン安がエネルギー価格の上昇ペースとあいまって、今後の物価上昇への圧力をさらに高めることになりかねないというのが韓銀の診断だ。原油や天然ガスなど、エネルギーの主要品目の決済の大半がドル建てで行われるためだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の強力な緊縮が続き、ドル高は下半期(7~12月)も続きそうだ。

韓国経済の支えだった輸出をめぐる予測も暗くなった。韓銀は、ウクライナ事態の長期化と中国封鎖措置などの影響で、輸出増加傾向は次第に減速すると見通した。

成長減速の懸念にもかかわらず、物価上昇の圧力は全方位に広がっており、韓銀は通貨政策の焦点を物価安定に合わせることにした。韓銀のパク・ジョンソク副総裁補は同日、通貨政策報告書の説明会で、「市場が、年末の基準金利水準を年2.50~2.75%と予想するのは合理的だ」とし、「ビッグステップ(基準金利の0.5%引き上げ)の可能性を残しているが、今のところは0.25%ずつ引き上げるのが適切だと思う」と述べた。


朴民優 minwoo@donga.com