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偲ぶ思い

Posted June. 10, 2022 09:09,   

Updated June. 10, 2022 09:09

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別れの後、帰ってこない愛しい人への思いを詠った詩。また来るという約束が口先だけだということが証明されたが、否定したい思いで胸だけが痛む。相手を胸に抱いて離すことができない間に、夜明けの鐘が鳴る。夢の中で会ったような気がするが、いつのまにか過ぎ去ってしまった時間がただつらい。迷夢の中で思いついた策は手紙だ。だが、なぜ墨をちゃんと磨らずに書いたのだろうか。切なさのあまり平常心を失ったのか。あるいは、手紙を伝える人が催促したのだろうか。部屋の中の寂しさを一層際立たせるのは、「金色の翡翠の帳と蓮の刺繍のしとね」。過ぎ去りし日々を共にしたこの愛の徴のために、愛しい人との距離はより一層遠くなる。別れた仙女を探そうとした劉晨は、仙女がいる蓬莱山が遠いと嘆いたというが、それより万倍も遠くなった二人の間はどうするというのか。

以上は詩特有の夢幻的雰囲気とメタファーが敷かれた作品だ。夢の中と生死を行き来して過去と現在の境界が崩れる。現実と伝説の中の人物が交差し、ついに詩的話者の性別まで曖昧になる。