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北朝鮮が短距離弾道ミサイル8発発射、韓米合同演習への対抗挑発か

北朝鮮が短距離弾道ミサイル8発発射、韓米合同演習への対抗挑発か

Posted June. 06, 2022 09:35,   

Updated June. 06, 2022 09:35

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北朝鮮が5日午前、平壌(ピョンアン)郊外の順安(スンアン)など4カ所で短距離弾道ミサイル(SRBM)8発を東海(トンへ・日本海)に向けて発射した。北朝鮮が8発の弾道ミサイルを一度に発射したのは初めて。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府発足(先月10日)後、3度目のミサイル挑発だ。尹大統領は同日、金聖翰(キム・ソンハン)国家安保室長を中心に開かれた国家安全保障会議(NSC)常任委員会に途中から参加し、今回の挑発に関する報告を受け、韓米ミサイル防衛演習を含む韓米の拡大抑止力と連合防衛態勢を強化していくよう指示した。北朝鮮がミサイル挑発を続ける一方、7回目の核実験まで事実上、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の指示だけが残されている状況であり、韓半島の緊張が高まっている。

北朝鮮の今回の挑発は、先月25日に「火星(ファソン)15」と推定される大陸間弾道ミサイル(ICBM)とSRBMを発射して以来。今回は、午前9時8分頃から35分間、集中的に4か所で数発のSRBMを発射し、韓国に対する同時攻撃能力をアピールした。韓国軍は、北朝鮮版イスカンデル(KN-23)、エイタクムス(KN-24)、新型戦術誘導兵器など少なくとも3種類以上のSRBMが順次発射されたと見ている。

北朝鮮の今回のミサイル発射は、2~4日に日本の沖縄近くの海上で実施された、米原子力空母まで参加した韓米合同軍事演習への「対抗挑発」と解釈される。韓米は2017年11月以来4年7ヵ月ぶりに空母を動員して合同軍事演習を実施した。

これに先立ち3日、米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表が「軍事態勢の調整」に触れるなど韓米日が次々に警告メッセージを発信したことを受け、これに反発した北朝鮮が最大8ヵ所の韓国の標的を核で同時に攻撃できる能力を見せつけたという見方もある。軍当局者は、「龍山(ヨンサン)大統領室や韓米連合軍司令部、平沢(ピョンテク)米軍基地をはじめ、有事の際に米国の増援戦力が展開される港や空港などを仮想標的とした可能性がある」と指摘した。

米国務省は同日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、「国際社会は多くの国連安全保障理事会決議案を繰り返し違反した北朝鮮を糾弾する」と明らかにした。また「安保理決議による(対北朝鮮制裁)義務を順守しなければならない」と主張した。岸田文雄首相も、「(北朝鮮の挑発は)地域と国際社会の平和と安定を脅かすものであり、断じて許すことはできない」と述べた。


申晋宇 niceshin@donga.com