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小さな喜びを丸ごと楽しむ方法

Posted April. 18, 2022 08:32,   

Updated April. 18, 2022 08:32

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「大きな喜びは、結婚や子どものように人生という海で人生を支えることだが、ここには危険で目に見えない海流がある。まさにそのため、小さな喜びも必要なのだ。ブラッドリーズの親切な店員や、私のコーヒーの好みを知っているダンキンドーナツの女性従業員のように。本当に難しいのが人生だ」(エリザベス・ストラウト「オリーブ・キタレッジ」)

先日、本棚を整理し、この本に載せられた短編を読み直した。タイトルは「小さな喜び」。きれいな文章に何度も薄く下線を引いた。エリザベス・ストラウトの小説を読むと、毎回新しい文章に出会う。私は私的かつ普遍的な文章が好きで、そのような文章は私が持っている本の中で、オリーブ・キタリジに最も多い。

文章を書き写して、「小確幸」という言葉を思い出した。小さくささやかだけれど確かな幸せ。その言葉を好んで使っていた人々は、この作家の文章を人生に反映してきたのではないか。小説の中で、平凡そうで、平凡ではない人生を生きているオリーブという人物についていけば、喜びを完全に楽しむことにも実力が必要だという気がする。小さな喜びは安全だが静かだ。時にはあまりにも些細で、大きな喜びが要求する忍耐ほど気難しい関心を要求する。本を読んで下線を引いて、紙の端を折るように、毎日違う形の楽しさに特別な表示をしておくべきかもしれない。電話に出て文章を選び、短い原稿の内容を整理する間、自分で見過ごさないように努力した小さな喜びを記録してみた。寒気を感じる時、タイミングよく膝の上に上がってきた猫たち、自分で挽いて凍らせたレモンで作ったレモネードの清涼感、新しく引っ越してきた家の前の遊び場で見つけたきれいな鉄棒、2つのブランコ…。最近、私が捕まえたいのは、このように小さくて穏やかなシーンだ。どうせ稀に訪れる大きな喜びは、よほどのことでは忘れられないからだ。