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自分の暮らしに満足すること

Posted March. 28, 2022 08:52,   

Updated March. 28, 2022 08:52

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「人生とは、ただ幸せで健康に生きるためにあるわけではありません。人生は、自分が満足できるような人生を生きるためにあるのです」(クレア・ワインランド)

数年前、私はひどい寒気と筋肉痛を患った後、名も知らぬ病気に悩まされ始めた。わずか2、3カ月で起き上がって座ることも難しくなり、半年が経ってようやく「自律神経系障害」という診断を受けた。集中治療によって少しでも良くなるかと思うと、再び悪化を繰り返しながら、メンタルは強いと自負していた私も、諦め、そのままゆっくり休みたい気持ちになった。精神科医としてよく耳にする「朝、目を開けなければいいのに」という受け身的な自殺事故が理解される瞬間だった。その頃、嚢胞性纎維症という不治の病を持った少女が、酸素のNGチューブをつけたまま、ハスキーな声で伝えるメッセージを聞くようになった。苦しみながら死んでいく彼女を見ながら、誰かは「むしろ、生まれてこなければよかった人生」と思うかもしれない。

しかし、彼女は、「人生はただ幸せで健康に生きるためだけにあるのではなく、その過酷な状況でも、自分が満足できるような人生を送れば良い」と伝えていた。それを聞いては、するすると閉じていた私の目がぱっと開いた。医者の仕事どころか、人の役割すらまともにできるかと心配したのに、それでも自分が満足できる選択をすればいいんだよ!

長引くパンデミックに、精神的に経済的に苦しむ人々が多い。「なんで僕にこんな試練が来るんだ!」という恨みが自然に出て、「僕にできることは何もない」という敗北感を感じることもあるだろう。この時、小さなものでも、自分が喜ぶようなものを探してみたらどうだろう。朝起きて布団を畳むこともできる。家族を抱きしめながら、愛の言葉を伝えることもできる。このような姿が、憤り、絶望している自分よりは、ずっと嬉しい自分ではないだろうか。人生は誰でもなく、自分が満足する人生を生きていくためにあるのだから。