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想像の中の引退

Posted March. 25, 2022 08:42,   

Updated March. 25, 2022 08:42

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ある貧乏人の学者が、「まずいお酒もお茶よりましで、不細工な妻もひとり暮らしよりはましだ」と騒いだようだ。この言葉に、詩人は低俗ではあるが、悟りに近い境地だと詩意を表した。それでも比喩がおとなしくないと思ったのか、詩の前に、冗談半分で作ったという注釈をつけた。酒と茶、官位と隠居など、世間の通念を覆す詩人の発想は、一切の束縛から脱し、絶対的な自由を目指した荘子と似ている。陶淵明のように、詩人は荘子に心酔し、人生と詩にその思想を溶け込ませた。ただ、官職の代わりに田園を選んだ陶淵明と違って、蘇軾は激しい浮き沈みを経験しながらも、官職は固守した。荘子と陶延命を慕うものの、想像の中の引退だけで自分を慰めたのだ。