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春風の驚異

Posted March. 18, 2022 08:56,   

Updated March. 18, 2022 08:56

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すらりとした美女の形にそびえる柳。次々に垂れ下がったしだれ柳の枝の間から、春風が吹き込んでくる。風の跡に沿ってハサミで裁断したように、ヤナギの葉が芽生える。自然の手に感嘆する詩人の声を聞いていると、柳の葉の青々とした震えに自ずと嘆声が漏れる春風の霊妙な腕前!新しい生命の美しい姿を作り出す春風の驚異の中で、新しい春の活気が次々と花開く。いまや、春の花より一歩進んださわやかな春の饗宴が幕を上げている。

童心のこもった視線で、ささいな日常を描くのに長けていた賀知章は、気さくな人柄で酒をとても楽しんだ。突然見知らぬ別荘を訪ねて、「主人と一面識もなく、向かい合って座ったのは、森と泉が好きだったから」というほど自由奔放だった。そんな彼が、豪放な気質の李白と会って意気投合したのは、あまりにも当然のことだ。初対面の席で李白の詩と気質に魅了され、李白を「謫仙」(天から追い出された仙人)と呼ぶほど親しくなった。ある意味で、賀知章は本人の詩的な達成感よりも、李白の詩才と真価を誰よりも先に評価したことで有名だ。あの日、持ち合わせていた金がなく、賀知章は、高官のしるしである金亀(金飾りの亀)を抵当に入れて酒を飲んだという豪快な美談も伝えられている。彼の愛酒家としての面貌を、このように描写した。「酒に酔って馬に乗った賀知章は、船でも乗ったようにゆらゆら/視野が曇って井戸に落ちても、床でそのまま眠ってしまった」(「飲酒に陥った8仙人」)

成均館(ソンギュングァン)大学名誉教授