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韓国ゲーム業界、コンソール市場参入に本腰

韓国ゲーム業界、コンソール市場参入に本腰

Posted March. 09, 2022 08:26,   

Updated March. 09, 2022 08:26

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「世界のゲーム市場の4分の1をつかめ」

モバイルやパソコンゲームに力を注いでいた韓国ゲーム会社が、コンソールゲーム市場に本格的に挑戦状を突きつけている。グローバル進出とあいまって、北米や欧州市場で人気を集めているコンソールゲームが必須攻略ポイントになったのだ。

スマイルゲートは先月10日、自社の知的財産権(IP)「クロスファイア」を活用したシューティングゲーム(FPS)「クロスファイアX」を、「エックスボックスシリーズX/S」や「エックスボックスワン」など、マイクロソフト(MS)のエックスボックスコンソール向けに発売した。モバイルゲームに力を入れていた韓国ゲーム業界が、主力IPを活用して「コンソール専用」の作品を出したのは異例のことだ。スマイルゲートは、「韓国のゲーム会社にはまだ不毛の地となっているグローバルコンソール市場攻略に、本格的に乗り出す」と宣言した。

ネクソンは、今年に発売が予定されている「カートライダードリフト」や「アークレイダース」などの主要作品を、パソコンとコンソールで同時に楽しめるようにする計画だ。パールアビスも、2019年の主力IP「黒い砂漠」をコンソールバージョンで披露後、「赤い砂漠」「トッケビ」などの主要作品をPCとコンソールプラットフォーム専用に開発している。NCソフトが今年下半期のグローバル発売を目標に開発している新作「プロジェクトTL」も、パソコンとコンソールの利用が可能になる見通しだ。

国内ゲームメーカー各社がコンソールゲームに参入している理由は、国内と違って、グローバル市場ではコンソールゲームが高い割合を占めているからだ。韓国コンテンツ振興院によると、2020年の世界のコンソールゲームの市場規模は計558億2600万ドルで、ゲーム市場全体の約26.6%を占めている。特に北米や欧州市場では40%に迫る。モバイルゲームの割合が60%を超え、コンソールゲームは6.4%に過ぎない国内市場とは差がある。本格的にグローバル市場への攻略に乗り出すゲーム会社各社にとって、コンソールプラットフォームへの拡張は選択ではなく必須となっている。

コンソールゲームの不毛地といわれてきた国内市場でも、最近、成長の勢いが激しい。ここ5年間(2016~2020年)、毎年前年比30%以上も売り上げが伸びている。特に、2020年は前年比57.3%成長し、売上げは1兆ウォンを突破した。2020年に発売されたソニーの「プレイステーション5」とMSの「エックスボックスX/S」シリーズは、現在まで品薄状態が続いているなど、需要が続いている。

韓国のゲーム会社がコンソール市場で競争力を備えるためには、「購読型市場」に再編されているグローバルの流れに対応すべきだという見方も多い。コンソール機器市場を二分するMSとソニーは、ネットフリックスなどのオンライン動画サービス(OTT)のような購読型サービスを目標に、大型買収合併(M&A)に我先に乗り出している。忠誠度が高く、長期的に人気を集めることができる重要な「オリジナルコンテンツ」を確保するためだ。コンテンツ振興院の関係者は、「韓国のゲーム会社はこれまで、作りやすいゲームを早いテンポで制作してきたとすれば、『量よりは質』が重要なコンソールゲームでは、従来とは異なるビジネスモデルを導入しなければならない」と分析した。


チョン・ナムヒョク記者 forward@donga.com