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与党が政治改革案を党政策で採択、政略の狙いは濃いが野党も構想を打ち出すべきだ

与党が政治改革案を党政策で採択、政略の狙いは濃いが野党も構想を打ち出すべきだ

Posted March. 01, 2022 08:31,   

Updated March. 01, 2022 08:31

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与党「共に民主党」は一昨日の夜、議員総会を開き、宋永吉(ソン・ヨンギル)代表が24日に発表した政治改革案を全会一致で党政策として採択した。実質的な多党制実現に向けた選挙制の見直しや首相の国会推薦制、大統領4年重任制の改憲、大統領決選投票制の導入などだ。野党候補一本化決裂の発表が出ると、急いで休日の夜に議員総会を招集したことを見ても、目前に迫った大統領選挙を狙った政略レベルのことであることが分かる。

それぞれの改革案も、十分な討論と与野党の合意が必要な重要な事案だ。首相の国会推薦制にしても、2018年に大統領改憲案が国会に提出された際、野党が主張したもので、民主党は「変形した議院内閣制」「類似議院内閣制」として反対した問題だ。それなのに、特に説明もせずに含ませた。国会議員の連動型および圏域別比例代表制の導入は、現在47議席にすぎない比例代表議席を増やすことを前提とする。地域区の議席を減らすか、でなければ国会議員の定員数を増やさなければならない敏感な問題だ。大統領4年の重任制は、李在明(イ・ジェミョン)候補が1月に言及したが、いつの間にか180議席政党の党方針となった。

民主党が、政治改革案を安哲秀(アン・チョルス)や沈相奵(シム・サンジョン)候補との連帯に活用するという狙いであることは明らかだが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補側の対応も情けない。尹候補は、「多数党は横暴を働いてきたのに、大統領選挙を10日後に控え、何が政治改革なのか」「国民をザリガニや蟹、フナと思っているのか」などの非難を浴びせた。民主党は、政治術数であれ大統領選挙を巡る小細工であれ、政治改革案を発表し、議員総会で党方針として採択し、世論戦に乗り出すなど、もがいている。最大野党「国民の力」は、「政治改革は、非道な民主党政権を交代させ、彼らを追い出すことだ」という言葉を繰り返すだけで、何か政治改革案を明らかにしたことがあるのか。

李候補と民主党は、大統領選挙の結果とは関係なく、今回の党方針として定めた政治改革案の公論化に乗り出さなければならない。そうしてこそ、大統領選挙を狙った小細工だという批判を相殺することができるだろう。尹候補が勝利しても、「与野党のねじれ」の構図で身動きできない状況が起こり得る。大統領権限をどのように分散するのか、国会の協力はどのように得るのか、少数政党の声をどのように国政に反映するのかなど、「分権と政治協力」について具体的にどのような構想を持っているのか、疑問に思わざるを得ない。尹候補と国民の力も、与党の「政治ショー」批判に止まらず、「尹錫悦流」の政治改革案の大きな方向性も出さなければならない。