Go to contents

経済力と軍事力

Posted February. 08, 2022 09:21,   

Updated February. 08, 2022 09:21

한국어

ハンニバルについて書く中で、カルタゴ遺跡について調査した。チュニジアに位置する古代カルタゴ市は、とても行きたい遺跡だが、行く日が来るかどうか分からない。今の姿から過去の栄華を推し量ることは難しいが、学者たちが推定した復元図を見れば、ものすごい(とてつもない)光景が繰り広げられる。

防御用の軍事設計ではあるが、外見だけを見ると、高級ヨットの係留場より素敵な港、丘の上に建っている多層のビラがあった。内部は見られなかったが、ローマの都市で見た内部構造を代入してみると、現代の高級別荘に比べても劣らないことは明らかだ。

ここに電気施設を備え、ベッドと家具を備えれば、今再現しても1級リゾートを持つ美しい都市とみなされるだろう。チボリやポンペイ、エフェソス、ペルガモン、ローマの古代都市の遺跡は有名な観光地となった。しかし、カルタゴ市が建てられた時、ローマは大理石の都市ではなく、木で建てられた二階建ての家が建ち並んでいたみすぼらしい都市だった。私たちが見る古代ローマ都市の元祖はカルタゴだ。

経済力や技術力、進取性、行政力などすべての面で、カルタゴはローマよりずっと上だった。ただ一つ、いや二つが足りなかったが、軍隊と軍に対する市民精神だ。その理由で、カルタゴが築いたすべてのものをローマに譲って滅亡した。

ある人はこう語る。「現代戦争は経済力です」。その通りだ。しかし、国内総生産(GDP)という数字が、そのまま戦闘力や戦争の勝敗を決めるという意味ではない。本当にそうだとしたら、それはカードゲームであって戦争でないはずだ。

韓国戦争時に比べれば、韓国経済と軍は飛躍的に発展した。もはや、絶対弱小国ではない。しかし、戦略的基準で、韓国は地形や国際情勢など、いくつかの要因によって深刻な弱点がある。小さなミスでも、短期間で致命的な被害を受ける国だ。

軍事政権時代に、国防が国民を脅迫するために誤用されたことがある。だからといって、国防に対する警戒を無視してはならない。経済力も、力と強い精神で結ばれてこそ、軍事力になる。