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BTSの歌詞は青春の詩だった

Posted January. 22, 2022 08:21,   

Updated January. 22, 2022 08:21

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「私は最初、彼らの歌も、同様にきらびやかに輝くだけだと思った。でもいざ、歌詞の内容はそうじゃないんだ。最近、「未生」だの「就活者」だのと、苦しんでいる普通の若者たちの気持ちと境遇、夢をそのまま盛り込んでいる…」

詩人の羅泰柱(ナ・テジュ)は、防弾少年団(BTS)の歌詞についてこのように語った。BTSの音楽が世界的に共感を得たのは、若者たちの切実な思いが込められているからだという。氏は、彼らの歌から、「分からなかった新しい世界、若者たちの考えと夢を理解できて、とてもありがたい」とし、「私たちに危機を体験させ、その危機から脱して解放される喜びを一緒にプレゼントする」と話した。

この本は、BTSの歌の歌詞に、羅泰柱の散文を加えたエッセイだ。羅泰柱は、自分が感銘を受けた35本のBTSの歌詞を読み上げる。歌詞の中に生きているメッセージを探し、それについて感じたことを率直に打ち明ける。ある人は、この本をBTSの人気に迎合しようとする試みと誤解するかも知れない。しかし、詩人として全てを成し遂げた氏が、あえてBTSを好むふりをする必要があるだろうか。羅泰柱は、自分の詩のようにBTSの歌詞に盛り込まれた美しさを捜し出す。「詳しく見てこそ/きれいだ/長く見てこそ/愛しい/あなたもそうだ」(羅泰柱の詩「草花」)

「私は/あの空を高く飛んでいる/もうここはとても高い/私は私の目に君を合わせたい」(BTSの曲「小さなもののための詩」)

羅泰柱は、彼らの音楽を聞く時、自分の心の中に眠っていた少年がゆっくり目を覚まし始めるようだったと告白する。恋に落ちた少年の告白が込められた歌詞を読んでいるうちに、天に舞い上がる思いがしたという。自分の心を正直に込めて表現するこの音楽こそ、詩ではないかと聞き返す。羅泰柱は、「空の下で私がもらった/一番大きなプレゼントは/今日です」(BTSの曲「プレゼント」)を聞いて、胸がどきどきした。「これからは自分自身を許そう、捨てるには/人生は長い、迷路の中では自分を信じる/冬が過ぎればまた春は来るんだ」(BTSの曲「Answer:Love Myself」)の主題意識は、自分の詩が語りたかったことと似ているという。BTSの歌詞が、自分を愛する方法を強調するという点を高く評価したのだ。

本を読みながら、いつの間にか「最近の詩」が青春から遠ざかったのではないかという気がした。なぜ青春たちは詩を読まないのに、BTSの歌には熱狂するのだろうか。ひょっとすると、私たちに些細なことの大切さを教えてくれた羅泰柱の詩と違って、最近の詩は巨大な談論や文学的実験に重点を置いているからではないだろうか。私には、詩よりBTSの歌詞の方が詩のように感じられる。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com