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新年早々に挑発した北朝鮮に文大統領は「平和」注文のみ

新年早々に挑発した北朝鮮に文大統領は「平和」注文のみ

Posted January. 06, 2022 08:22,   

Updated January. 06, 2022 08:22

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北朝鮮が5日午前、弾道ミサイルと推定される飛翔体1発を東海(トンへ・日本海)に向けて発射した。新年早々のミサイル挑発であり、昨年10月の新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射以来だ。政府は国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開いて「憂慮」を表明し、対話再開の重要性を再確認したと明らかにした。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、南北鉄道東海線江陵(カンヌン)~猪津(チェジン)区間着工式に主席し、「このような(緊張)状況を克服するためにも対話を諦めてはならない」と強調した。

北朝鮮のミサイル挑発は、対外的に存在感を誇示するための強度の低い武力示威とみられる。米国が中国・ロシアとの対立に外交力を集中し、北朝鮮核問題が後方に追いやられた状況で、忘れられた存在にならないよう関心を引くためだ。特に、3月の韓国大統領選挙と韓米合同軍事演習を控え、昨年末に朝鮮労働党中央委員会総会で明らかにした通り、「国家防衛力の強化」計画に従って核・ミサイル能力を育て、韓米に譲歩を迫るということだ。

これまで韓米の相次ぐ対話のジェスチャーにも敵対政策の先行廃棄を要求して拒否してきた北朝鮮だ。時間は自分たちの側にあるという計算かもしれないが、時間が経てば経つほど焦っていたのは北朝鮮だ。新型コロナウイルスの恐怖で国境を閉鎖し、過去どの対北朝鮮制裁も果たせなかった完全封鎖水準の孤立状態に置かれている。対外挑発はさらに大きな外部圧力を招き、食糧難のような内部圧迫が大きくなるほかない。

このような北朝鮮に、韓国政府はいつものようになだめることに汲々としている。政府は、北朝鮮のミサイル発射を「挑発」と規定せず、警告や遺憾の表明もしなかった。文大統領は、「南北間の信頼を蓄積していけば、ある日突然、私たちに平和が訪れるだろう」と述べた。だが北朝鮮が、挑発が受け入れられていると誤って判断する恐れがあることを見逃している。一方的な融和的態度は情勢の管理でもなく、挑発衝動を一層刺激するだけだ。