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営業時間を短縮して客を増やすという「自己矛盾」に陥った距離確保の延長

営業時間を短縮して客を増やすという「自己矛盾」に陥った距離確保の延長

Posted August. 21, 2021 08:20,   

Updated August. 21, 2021 08:20

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政府は、現行の「社会的距離確保」(首都圏は4段階、非首都圏は3段階)措置をさらに2週間延長することにした。これを受け、首都圏は8週連続で、非首都圏は6週連続で「現在の距離確保」の措置が維持されることになった。ただ、飲食店やカフェについては、4段階地域の営業終了時間を午後10時から9時へと1時間短縮するものの、ワクチン接種の完了者2人を含め、最大4人まで集まることができるようにした。

専門家らはデルタ型変異株が広がっている状況で、新型コロナの第4波を早期に抑制するためには、在宅勤務の義務付けなど、短期的にでも強力な措置を施行しなければならないと提案してきた。しかし、政府は第4次流行の抑制にあまり効果のない水準の「距離確保」措置を繰り返している。その間、最近2日連続、1日の感染者が2000人を超えるなど、拡大ペースはさらに勢いを増している。

飲食店・カフェの営業時間を減らすが、客は増やすというのもつじつまが合わない措置だ。自営業者らを活性化させ、接種者にインセンティブを提供しながらも、防疫を維持するためだという。しかし、市民の立場では、防疫を緩和するのか強化するのか混乱している。メッセージの複雑な政策は効率性が落ちる。

距離確保措置の効果が限界に達した状況で、政府は9月末〜10月初めから「ウィズ(with)・コロナ」体系に切り替えることを検討する方針だ。感染者の抑制よりは重症および死亡管理に焦点を合わせるという。このためには、ワクチン接種の完了率を高めることがカギとなる。政府の予想通り、接種完了率が10月第1週に50%を越えても、「ウィズコロナ政策」を実施しているシンガポール(73%)、英国(61%)などよりはかなり低い。

防疫疲労度が累積しているだけに、「距離確保」措置を無制限に続けることはできない。だからといってワクチン接種率が低い状態で準備なしに防疫体系を転換すれば、患者が急増して医療体系が崩壊しかねない。ワクチンを安定的に受給しながら予約率を高め、慢性疾患者や高齢者などの高危険群の接種をさらに増やすなど、準備作業に拍車をかけなければならない。緊張の紐を緩めず「ウィズコロナ時代」に備えてこそ、コロナから抜け出す日を少しでも繰り上げることができる。