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米が見捨てたアフガン、軍と自衛意識が崩壊した国の悲劇

米が見捨てたアフガン、軍と自衛意識が崩壊した国の悲劇

Posted August. 17, 2021 08:24,   

Updated August. 17, 2021 08:24

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アフガニスタンの反政府勢力タリバンが16日、首都カブールの大統領府を掌握した。ガニ大統領がウズベキスタンに亡命した後だった。アフガン政府は15日にタリバンに降伏を宣言した。主要拠点都市を占拠したタリバンが、カブールから11キロ離れた所まで進撃して迫ってきたため屈服したのだ。米軍が最終的な撤退を始めて3ヵ月、タリバンが主要拠点都市を掌握してから僅か10日で陥落した。

アフガン政府軍は米国から支援された最新装備で武装していたにもかかわらず、米国のバイデン大統領がベトナム戦争時のベトコンにはるかに及ばないと見なしたタリバンの前では無力だった。書類上では兵士が30万人にのぼったが、給与を得るために偽りで登録した幽霊兵士が多く、実際はその6分の1にも満たなかった。その軍人も「命をかけて守る」という使命感がないうえ、米軍が離れるや士気も低下し、対応することなく崩れた。

米軍は戦争中に突然撤退したベトナムとは違って、アフガニスタンでは10年前の2011年から撤退を予告していた。今年5月の米軍の完全撤退発表は、イスラム政府に安保権を渡した14年以降も米軍約1万人が残ってアフガン軍や警察の訓練などを担ってきたが、それさえも止めるという意味にすぎない。長い時間があったのに、大統領をはじめアフガン指導層は分裂を繰り返し、腐敗から抜け出せず、国を立て直す準備ができなかった。

2001年、ブッシュ大統領(当時)は、9・11テロ後に身を隠したビン・ラディンなどアルカイダ勢力を捕らえるために、アフガンに武力で介入した。その時、タリバン政権が崩壊した。当時、タリバン政権はテロ集団に隠れ場所を提供しただけでなく、極端なイスラム原理主義に立って女性を抑圧して処罰するなど、反人権的振る舞いで国際社会の非難を受けた。そのタリバンが20年ぶりに再び政権を握った。国際社会は抑圧的政権への回帰を懸念している。

米国が、米軍撤退後のアフガン政府の没落を予想できなかったわけではない。単に予想した時期よりも早くて驚いただけだ。没落を予想しながらも米軍は撤退した。米国がこれ以上アフガニスタンに残ることに対する国益がなかったためだ。米国が他国の自由と人権だけのために限りなく軍隊を駐留させる余力も意志もないということをアフガン事態が物語る。国民の生命と自由を守ろうと自ら努力しない国を国際社会が助けるには限界があるという厳然たる現実を直視しなければならない。