
「最後の試合(セルビアとの銅メダル決定戦)を終えてロッカールームに戻ってきたら、『このチームでもっと試合したい』という気持ちが沸きました」
声には夏の日の喜びが丸ごと込められていた。女子バレーボール韓国代表チームのレ主力リベロとして2020東京五輪に出場したオ・ジヨン(33・GSカルテックス)は11日、東亜(トンア)日報の電話インタビューで、「終わってみたら、五輪中が幸せだった。なぜあの時はただ『耐えなきゃ』としか思っていなかったんだろう。帰国してから初めて気が付いた」と話した。
東京五輪で9年ぶりの4強進出を果たすまで、代表チームは一般には知られていない涙を流していた。その中でも33歳で初の五輪出場という夢を叶えたオ・ジヨンは、誰よりも長い涙の時間を過ごさなければならなかった。五輪直前に開かれたバレーボール・ネイションズリーグ(VNL)で、競技力が振るわず非難の矛先が向けられた。これに先立ち、2度の引退宣言後にコートに復帰したものの、「バレーボール人生でこれほどメンタルが揺れたのは初めてだった。チームに迷惑をかけるのではないかという気がした」とし、「出国直前まで監督の部屋に行ってリベロを替えてほしいと言おうと何十回も考えた」とこれまでの気苦労を打ち明けた。大会前まで大きなプレッシャーを感じながらも、ブラジルとの組別リーグ予選初戦では、びくびくしながらコートに立ったという。
しかし、少しずつ安定を取り戻した。主将で1年先輩の金軟景(キム・ヨンギョン=33)の肩の荷を分けて上げたい気持ちも強かったオ・ジヨンは、「金さんのパターンを崩してしまうのではないかと恐れて『先輩頑張れ』の言葉も簡単には言えなかった。むしろ金さんに言われてコートの上でもっと叫んだ。後輩たちがついて動いているのが感じられた」と話した。その結果、オ・ジヨンは今大会でディグ1位(93本)となり、4強進出をサポートした。9日、仁川(インチョン)国際空港に押し寄せた数百人から歓迎を受けて、「金さんは、こういう人生を生きてきたんだ」と感じたという。
準決勝で顔を合わせたブラジルの16番のアタッカー、フェルナンダ・ロドリゲス(35・レフト)を最も印象深かった選手に選んだ。「分析したコース通り、ボールが来てもパワーが強すぎて、ボールに手が届かなかった。太ももにその選手が打ったボールを打たれたが、翌日見たらあざができていた」と話した。
忠清南道唐津(チュンチョンナムド・タンジン)の自宅に帰って休暇を過ごしたオ・ジヨンは、13日チームに合流して23日に始まる韓国バレーボール連盟(KOVO)カップ大会女子部の試合に備える。昨季終了後、自由契約選手(FA)になったイ・ソヨン(27)の補償要員として、KGC高麗(コリョ)人参公社からGSカルテックスに移籍して初めて迎えるシーズンなので、新しい意欲に満ちている。
「今回の五輪を通じてファンの大切さを改めて実感しました。また見てきたキャラクターのバレーボール選手に戻って良い姿をお見せします」。
どんなボールが来ても受け取るという自信に聞こえた。
姜泓求 windup@donga.com