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また伸ばされたワクチン接種、いつまで「問題ない」とだけ繰り返すのか

また伸ばされたワクチン接種、いつまで「問題ない」とだけ繰り返すのか

Posted August. 11, 2021 08:26,   

Updated August. 11, 2021 08:26

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ファイザー製やモデルナ製ワクチンの2回目の接種日が16日以降の対象者の接種間隔が、9月までの期限付きで4週間から6週間に延びた。米モデルナ製のワクチン生産関連実験室問題の影響で、8月に導入予定物量850万回分の半分以下だけを搬入することになり、接種間隔を伸ばすというのが政府の説明だ。

接種の間隔が伸び、2回目の接種が見送られた対象者は2453万人に上る。モデルナからの供給日程が狂い、ファイザーの接種日程にまで支障をきたした。ファイザーの接種間隔は、先月、50代の接種を控え、ワクチン不足で3週間から4週間に伸びたが、今回は再び6週間に伸びた。ワクチンの安全性には大きな違いがなくても、ワクチン効果が落ちる可能性はあるという指摘が出ている。

モデルナは昨年12月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が直接同会社の最高経営者と電話して今年第2四半期から4000万回分を持ち込むことにしたワクチンだ。しかし、これまで245万5000回分が入ってきただけだ。モデルナ側が韓国政府に約束した物量を7月以降相次いで延ばしたにもかかわらず、金富謙(キム・ブギョム)首相は、「8月中に850万回分が決まった時間に導入されるよう協議が終わった」と言ったが、導入物量が半分になった。韓国政府がモデルナに振り回されているという言葉が出る理由だ。

現場の混乱は深刻だ。病院が休診する秋夕(チュソク、旧暦8月15日の節句)連休に2回目の接種日が割り当てられ、戸惑う接種者や病院ができた。連休を過ごしてワクチンを接種すれば、事実上、接種間隔が7週間に広がり、ワクチンの安全性に対する懸念も出ている。小学校3~6年生と中学校教職員の接種間隔は当初3週間から5週間に伸ばされ、相当数の接種完了時期が始業式以降に延びていた。接種の日付が重なれば、授業に支障をきたす可能性もある。

文大統領は、一昨日主宰した大統領府の首席・補佐官会議で、モデルナの名前の言及と追加供給対策なしに「接種テンポを上げてほしい」とだけ述べた。また「世界的にワクチン生産の不足と供給の不確実性が依然として大きな問題だ」とし、国内ワクチンの需給支障を他の国々も経験する普遍的状況であるかのように述べた。しかし、韓国のワクチン接種の完了率は15%と、経済協力開発機構(OECD)38の加盟国のうち最下位であり、そう言える場合ではない。モデルナの安定した需給が今後も確約できないこの時、政府は問題などないと言わずに、客観的なワクチン需給状況を誇張なく説明しなければならない。政府に対する信頼が崩れれば、防疫も直ちに崩れることになる。