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無欲之心

Posted July. 30, 2021 08:23,   

Updated July. 30, 2021 08:23

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大人の言葉は上の空で聞き流した若い日を追憶する詩人。取り戻せない歳月を嘆きながらも過去を再現したい考えは毛頭ない。時に合わせて人生を楽しむことが賢明であり、財産を使い果たしてでも思う存分楽しもうと言う。快楽に耽溺する享楽主義者の声のようでもあり、厭世主義者の虚無意識のようでもある詩人のこの突拍子もない発想はどこから来たのか。彼が生きた魏晋南北朝時代は、政治的混乱と共に思想の自由の風も吹いた。仁義礼智を絶対視した儒教に対する反発が強く、自由意志と個性を重視する風潮が広まった。このような状況で、詩人は道家の無欲之心に魅了されたようだ。

財産を使い果たしてまで人生を楽しんだのは漢の疏広だ。疏広は、宣帝から受けた大金を酒宴につぎ込んだ。時々、財産がどれだけ残ったか確認するほど、使い果たそうという意志は確固だった。「子どもが利口でも、財産が多ければ意志が損なわれ愚かで、財産が多ければ過ちが多くなる」というのが疏広の持論だった。疏広も老荘思想に心酔した人物なので、陶潜(陶淵明)には気の合う先輩に映っただろう。

成均館(ソンギュングァン)大学名誉教授