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年収1000万ウォン引き上げを蹴飛ばしてスト旗をあげた現代自動車労組

年収1000万ウォン引き上げを蹴飛ばしてスト旗をあげた現代自動車労組

Posted July. 09, 2021 08:29,   

Updated July. 09, 2021 08:29

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現代(ヒョンデ)自労組が一昨日、組合員73.8%の賛成でストを可決した。中央労働委員会が来週、現代自労使の意見の隔たりが大きいという判断を下せば、合法的なストを開始できるようになった。2019年は韓日貿易紛争、昨年は新型コロナ禍で紛糾なく賃金や団体協約を結んだが、3年振りにストが現実化する可能性が高くなった。

会社側は、基本給月5万ウォンの引上げなど1人当たり1114万ウォンの引上げ案を提示したが、労組は基本給9万9000ウォンの引上げと会社純利益の30%成果給支給などを要求し、会社案を拒否した。意見がさらに食い違う部分は定年延長だ。労組は国民年金の受け取り年齢に合わせて、64歳に定年を延ばしてほしいと要求しているが、会社側は生産人数の30%以上を必要としない電気自動車の生産が伸びており、定年延長は受け入れられないという立場だ。

「新型コロナ」で抑えられていた先進諸国の消費が爆発し、新型SUVの人気が高く、現代自の海外業績が改善しているのは事実だ。しかし、車両向け半導体の供給支障により、上半期だけでも生産台数が7万台減り、来年上半期まで半導体大乱が続く見通しだ。人気車種は6カ月以上待たなければならず、米売り場の在庫は底をついた。生産を最大限増やさなければならない今、ストが始まれば上昇ムードに乗っていた業績はいつでも挫けられかねない。

労組の定年延長要求は、自動車産業の激変を度外視し、高齢の労組員の利益ばかり気にしているという批判は避けられない。最近、世界的な自動車メーカー各社は、電気自動車への投資を拡大し、大々的なリストラに乗り出している。人為的な人員削減が難しい韓国では、引退を通じた自然減少が唯一の代案だ。労組のアンケート調査で定年延長に対する賛成が51%、反対が49%で拮抗するなど、中高年と青年層の意見の差も大きい。

韓国経済研究院によると、ストによる労働者1000人当たりの労働損失日数は、韓国は年平均38.7日で、英国の2.2倍、米国の5.4倍、ドイツの5.8倍であり、日本に比べては193.5倍となっている。また、現代自の国内工場の生産性は、世界の事業所のうち最下位の水準だ。このような状況で過度な賃上げを要求するストは正当性を持ちにくい。定年延長は個別企業の労使交渉ではなく、社会的合意を通じて結論を出さなければならない事案だ。賃金・団体交渉を妥結する時間がまだ残っているだけに、労使が最後まで膝を突き合わせて適正な水準で妥協点を見出さなければならない。