尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長は30日、大統領選出馬宣言後の初の活動に、政治部の記者たちと会う「疎通」を選択した。2012年に野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表や17年に潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長など大統領候補級の政治新人が国立ソウル顕忠院(ヒョンチュンウォン)を訪れたこととは大きな違いだ。
尹氏は同日、国会記者会見場と記者室がある国会疎通館を訪れ、1時間ほど記者たちとフィスト・バンプを交わした。尹氏に約10台の取材カメラが付いて回り、約30人の記者が集まったため、疎通館の廊下が人で込み合った。
尹氏は記者たちに、「皆さんがいるのでこの国の民主主義が守られてきた。この国の民主主義がうまくいくよう助けてほしい」とし、「私、尹錫悦は、今や政治に第一歩を踏み出した。皆さんの多くの教示をお願いする」と述べた。そして、「尹錫悦Xファイル」疑惑など敏感な懸案に対する即席の一問一答も行われた。
記者たちが前日の大統領選出馬宣言と関連して、「政策の具体性が多少不十分だった」と言うと、尹氏は「昨日は国民に、私が政治に足を踏み入れる考えと抱負、計画を申し上げた」とし、「具体的な政策については、昨日すべて話すことはできなかった」と説明した。また、「多くのすばらしい方々と韓国の懸案をよく点検し、国民に不都合なことがないよう多くの問題点を解決できる政策を出す」と強調した。
秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官が「妻のキム・ゴンヒ氏の所得の出処を明らかにしなければならない」と主張したことについて問われると、尹氏は「特に立場はない」と答えた。キム氏がインターネットメディア「ニュースバス」との電話インタビューで、「すべて偽りと判明するだろう。偽りは長くは続かない」と言及したことを受け、記者が「そのインタビューを見たか」と尋ねると、「何のことか(分からない)。朝に出かけて(見ることができなかった)。後で見る」と話した。
尹氏は、収賄疑惑に包まれた、報道担当だったイ・ドンフン氏が陣営を離れた背景について、「個人的理由で辞めたいと言い、互いが了解した。(収賄疑惑は)個人の問題なので特に申し上げることはない」と述べた。
尹氏の疎通館訪問には、野党「国民の力」の劉相凡(ユ・サンボム)議員、李錫駿(イ・ソクチュン)元国務調整室長、キム・ギフン副報道担当、ウ・スンボン広報チーム長が同行した。尹氏は、「(電話、メール)の返事をよくしてほしい」と言う記者に「わかった」と答え、「(散歩する写真を報道して)散歩する時に行くところがない」、「先祖代々、忠清南道論山(チュンチョンナムド・ノンサン)で暮らしたので、血は忠南と言えるのではないか」と冗談も言った。
尹氏側は初の日程で国会疎通館を訪問した理由について、「国民との疎通の役割を担う政治部記者に先に挨拶をし、本格的な政治活動をしなければならないと判断した」と説明した。尹氏は近く、全国の中小商工人など社会各界の人々に会う計画だ。
チョン・ジュヨン記者 チョ・アラ記者 aimhigh@donga.com · likeit@donga.com