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高陽マンション火災で80代の高齢女性を避難させた消防士

高陽マンション火災で80代の高齢女性を避難させた消防士

Posted May. 24, 2021 08:15,   

Updated May. 24, 2021 08:15

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「火事が起きた家におばあさんが一人暮らししているが…。身動きも不自由なんですが、どうすればいいですか」

22日午後12時59分ごろ、京畿道高陽市中山洞(キョンギド・コヤンシ・チュンサンドン)の「マンションの6階から火が出た」という通報電話が鳴った。受話器の向こうの住民は、火災が起きたマンションを眺めながら気をもんでいた。

現場に出動した一山(イルサン)消防署119救助隊1チームのイ・チャンジュン消防校(40)には時間がなかった。6階から始まった火は、すでに風に乗って11階建ての建物全体を飲み込んでいた。

火の手が始まった6階の玄関のドアを開けて家の中に入ると、赤黒い炎と煙が入り混じって一寸先も見えなかった。部屋一つは全部燃えてしまい、灰だけが残った状況だった。念のため、すぐ隣の奥の間に足を運んだ瞬間、ベッドの上に倒れている80代の女性Aさんが目に入った。イ消防校は直ちに周辺の同僚を呼び集めた。酸素マスクをかける暇もなく、布団で女性を包んで隊員6人と一緒に1階まで走った。イ消防校は、「炎の中から何とかお年寄りを助けようという思いだけだった」と緊迫した当時の状況を伝えた。

意識を失って倒れたまま救助されたA氏は、現在体全体の40%ほど重度のやけどを負って、病院で手当てを受けている。

消防当局は、指揮車などの装備30台や人員70人を火災現場に投入し、約1時間後の午後1時13分、完全に火を消した。当時、マンションの屋上に避難していた住民2人も煙を吸って救助されたが、命に別状はないという。消防当局は、救助された女性が一人暮らしをしていた家で火事が始まったと見て、正確な火災原因を調べている。


キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com