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ソンビの節義

Posted May. 14, 2021 08:21,   

Updated May. 14, 2021 08:21

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月が欠けると、しばらく視野から消えたかに見えても、光を発する本質は、満月の時と相違はない。絶えず鉄を熱し、焼き入れし、叩く過程を経てこそ誕生する宝剣も然り。厳しい鍛練を全て克服したので、折れても強い材質はそのまま維持される。節義を重んじるソンビ(学識が優れて礼節があり、義理と原則を守って権力と富裕栄華を貪らない高潔な人柄を持つ人に対する呼称)の品性は、まさに月と宝剣のこのような属性に肩を並べる。試練と苦難に遭っても基本は終始一貫しているので、強大な権力と財物の前でも節義を曲げない。命を差し出しても、堂々としていない人生を送ることはない。志士と自任しながらも、意志の強い気品を見せることができず、権力にへつらう周囲のソンビたちに詩人は失望したようだ。「古意」を詩題に捉えたことで、詩人のそのような失望がうかがえる。手本にできる昔の先賢の教訓や立派な意を現在と比べようという意図を示したかったのだろう。

約2900首の多作を通じて多様な詩風を示した梅堯臣。特に、宋の風刺詩の伝統を開いたと評価を受けている。「権力者を圧倒する強大な」権臣の横暴を梅堯臣は「尾を振って旗とし、歯ぎしりして刃とする」猛虎に例えたりもした。このような覇気こそ実直なソンビが見せる節義の肉化といえる。