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ミツバチから学ぶ経済危機への対応

Posted April. 17, 2021 08:01,   

Updated April. 17, 2021 08:01

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20年あまり前、グーグルが検索サービスを開始した時、市場反応は芳しくなかった。「インターネットユーザーが探している情報をよく探してくれるとしよう。それでお金はどうやって儲けるの?」だった。実際にグーグルを軽く見たMSの最高経営者(CEO)スティーブ・バルマーは、「グーグルは何を販売しているのかさっぱり分からない」と皮肉った。しかし、2000年代に入り、グーグルが検索情報を基にモバイル広告市場に早いテンポで参入し、MS独走体制は終焉を告げることになる。

本書は、ミツバチの受粉(雄しべの花粉を雌しべにつけること)が生態系全般を支える概念を、経済に適用している。生物学界は、後期白亜紀の地層で発見される花植物種の爆発的な増加は、受粉する蜂が登場したおかげだと見ている。本でミツバチが生産する蜜が富の生産と蓄積を象徴するとすれば、受粉は意図しない肯定的な外部効果を意味する。まるでグーグルやフェイスブックが、情報探しや関係作りなど、数多くのユーザーらの認知活動を基に収益を創出しているのと似ている。

問題は、経済の全ての領域に渡って金融化が過度に進み、経済危機が増幅していることだ。特に、金融機関は蜂蜜を集めることだけに血眼になり、システム崩壊の危機を放置しているというのが著者の見方だ。例えば2008年のグローバル金融危機当時、各金融機関は低優良格付け(サブプライム)債権を集め、複雑な算式の金融商品を作って販売した。金融工学者ですら完璧に理解できない仮想商品が不良化し、金融システム全般を崩壊させた。

だからといって、著者が金融機関や金融をまるで社会悪とみなすわけではない。ただ、市場金融が受粉のように生態系に前向きに寄与できるように全般的なシステムを変えなければならないという主張だ。このため、著者は金融取引税を導入し、金融圏全般をガラス張りに監視する案を代案として示している。


金相雲 sukim@donga.com