２３日午後８時、ソウル江南区炭川（カンナムグ・タンチョン）公営駐車場。ランニングシューズを履いて円形になったランニングクルー「２０３０青春ランナー」の会員たちが、クルー長のパン・ソンユン氏(２６)の掛け声に合わせてストレッチをしていた。２０代や３０代の会員が１１０人のこのクルーは、昨年からソウル江南区と松坡区（ソンパグ）でランニング集会を開いている。スケジュール調整と参加申し込みは、カカオトークやインスタグラムなどのソーシャル・ネットワーク・サービス（ＳＮＳ）を通じて行われるが、会社員が多いため平日の集まりは夜間に開かれる。
青春ランナークルーは、新型コロナウイルス感染症（新型コロナ）の影響で、日曜日ごとに大規模な人が参加していた「定期ランニング」を中止した。その代わり、「５人以上の私的な集まり禁止」を守りながら「不定期ランニング」を楽しんでいる。ランニング希望時間と場所が一致する人々が集まって、不定期に一緒に走ることだ。この日、不定期ランニングのために集まった記者ら４人は、体温計で検温後、マスクをして炭川公営駐車場〜清潭（チョンダム）大橋を往復する４キロの区間を走った。
息が切れるたびに「ファイト」と叫び、励まし合う彼らにとって、記録短縮や順位はそれほど重要ではなかった。楽しいランニングとみんなの完走という目標のため、遅れている人がいれば一緒にスピードを落とし、景色の良い清潭大橋の近くではしばらく走りを止めた後、記念撮影をした。キム・ウジョンさん（３２）は、「一人で寂しく走れば、途中で辛くなると簡単に諦めることになる。しかし、一緒に走れば、楽しく目標を果たすことができる」と話した。思いっきり走った彼らに、打ち上げはなかった。ランニングを終えた後、軽く仕上げの運動をしてすぐ解散した。
ＳＮＳを基盤とする運動会「ランニングクルー」は最近、２０代や３０代を中心に活性化している。今月基準でカカオトークには、全国で１００以上の「ランニングクルー」がオープンチャットルームを運営しており、インスタグラムに掲示されたランニングクルー関連の書き込みは１６万９０００件に達する。
ランニングクルーは、学校と地域、職場などを中心に構成され、加入資格と行動に制約が多い既存の同好会に比べて進入障壁が低い。ＳＮＳで様々なクルーのランニングの公示などを見た後、いつでも自分が望む時、自分が走れる街を走る会に一回で参加できる。急に疲れて約束された集まりに参加できなくても、非難する人はいない。正会員申し込みをすれば、クルーの活動に定期的に参加することができるが、義務ではない。
青春ランナーのパン・ソンユンさんは、「ＳＮＳに会員のためのランニングの他にも、非会員のための『ゲストラン』の日程を公示する」とし、「地縁などで絡んだ関係ではないため、誰でも簡単に参加でき、いつでも脱退できる」と話した。ソウル大学心理学科の郭錦珠（クァク・グムジュ）教授は、「自主的参加を基盤とするランニングクルーは、個人主義性向が強く、集団に拘束されることを嫌う２０代や３０代の性向とよく合う」と話した。
親睦を深めるために、見知らぬ人に個人情報を隅々まで公開しなくてもいいということも、２０代や３０代が感じるランニングクルーの魅力だ。釜山（プサン）でランニングクルー活動をするチョン・ユンギさん（２７）は、「サッカー同好会に加入したが、初の集まりでガールフレンドがいるか、同じ中学校を出たＡという同窓と親しいのかなどを聞かれて困った」とし、「就職のために面接を受けるような気がして不快だった」と話した。２年前から活動しているランニングクルーの雰囲気は、同好会とは違ったという。チョンさんは、「約束の場所に集まれば、名前だけを言ってすぐ運動をするため、精神的に疲れにくい」とし、「年齢や職業を知らなくても、一緒に走るのには何の問題もない」と話した。
実用性を強調する２０代や３０代で構成されたランニングクルーの会員たちは、運動とは関係のない打ち上げ文化に拒否感を感じる。青春ランナークルーも、「Ｎｏ二次会（打ち上げ）」をモットーにしている。チョン・ジュリさん（３１）は、「すべての活動が自由だというのが、ランニングクルーの魅力だ。打ち上げを強要しないため、運動が終わればみんな『クール』に別れる」と話した。一部のクルーはランニング終了後、情報共有のために開設したチャットルームを閉鎖し、参加者間の私的な出会いを遮断したりもする。パン・ソンユンさんは、「運動以外の目的（恋愛、事業広報など）でクルーに参加して摘発された会員は、運営陣会議を経て除名する」と語った。
鄭允喆 trigger@donga.com
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