数件のセクハラ疑惑が提起されたアンドリュー・クオモ米ニューヨーク州知事(64)に対する捜査を米連邦検事出身の韓国系の弁護士が務める。一時、「コロナ禍の英雄」と呼ばれ、民主党の有力な大統領選候補に浮上したクオモ氏の政治生命が、韓国系弁護士の手にかかったと外信は伝えた。
8日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官はジュン・キム(キム・ジュンヒョン・50)弁護士とアン・クラーク弁護士をクオモ氏の事件を独立的に捜査する責任者に任命したと発表した。クオモ氏は当初、自身が構成する独立調査委員会で調査すると主張した。しかし、ジェームズ氏はこれを拒否し、キム氏に捜査を任せた。民主党内の大物であり、現職州知事が捜査対象であるため、捜査の独立性を確保するための措置とみられる。
1971年、米ロサンゼルスで韓国系2世として生まれたキム氏は、1996年にハーバード大学ロースクールを卒業した。2000年、ニューヨーク南部地検連邦検事に任命され、06年に法律事務所に移り、13年に検察に復帰した。17年3月、プリート・ブハララ・ニューヨーク州南部地検の検事正が解任された後、翌年検事正代行を務め、検察人員220人余りを指揮した。米司法省によると、キム氏は、殺人、マネーロンダリング、麻薬取引、テロなどの様々の分野で捜査経験を積み、米国内のマフィア組織や犯罪との戦いを行い、組織のボスを起訴したりもした。18年からは再び弁護士として活動している。AP通信は、キム氏を「几帳面でユーモア感覚がある」と評した。
キム氏は8日、声明を通じて、「(今回の事件は)徹底して公正な捜査が求められる深刻な疑惑」と強調した。キム氏は、連邦検事時代、クオモ氏の側近だったジョセフ・ペルココ氏を収賄の疑いで起訴したことがある。クオモ氏のセクハラを暴露した女性は5人にのぼる。
李恩澤 nabi@donga.com