「メジャーリーグのチームからオファーがなければあっさり引退しますよ」
秋信守(チュ・シンス=39)は昨年を最後にテキサス・レンジャーズとの7年契約が終わった後、自由契約選手(FA)になった。個人トレーニングをしながら、他球団からのオファーを待っていた秋信守は、昨年末に内心では引退まで考えた。韓国への復帰は、全く頭になかった。周囲の知人たちには「米国でも呼んでくれるところがない選手だ。どこに行けると言うんだ」と言い、噂を一蹴した。
本人の気持ちとは別に、秋信守に対する保有権を持っているSKワイバーンズは今年初めから慎重に加入の可能性を検討してきた。今年でなくても、来年でも国内復帰を代理人を通じて打診した。
しかし、先月に新世界(シンセゲ)グループが電撃的にSK野球団を買収し、状況が一変した。チーム創設に相応しいスタープレイヤーの獲得を必要としていた新世界は、秋信守の獲得に積極的に取り組んだ。鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)新世界グループ副会長も、大きな関心を示したという。新世界の関係者は、「鄭副会長が野球団の買収が確定した後、仁川(インチョン)ファンのために秋信守選手の獲得が良さそうだの意見を示し、それから球団は手続きに進めて来た」と明らかにした。
時折、メジャーリーグのスプリングキャンプ開始を控えて、秋信守もミルウォーキー・ブルワーズ、シアトル・マリナーズ、ピッツバーグ・パイレーツなどの球団からオファーを受けていた。最終的に8チームからのオファーがあり、最近は好条件を示して積極的に動いたチームもあった。秋信守が希望していた、ポストシーズン進出の見込みがあるチームだった。年俸は300万ドル(約33億ウォン)水準とされる。
米国残留と韓国復帰で苦悩していた秋信守は、家族と相談した後、韓国行きを決心した。国内の代理人を務めているギャラクシアMのソン・ジェウ理事は、「秋信守はプライドの高い選手だ。韓国では、絶対に良くない姿を見せたくないと考えている。どうせ復帰するなら、少しでも力がある時に帰りたいという気持ちが強かった」と話した。新世界もKBOリーグ史上最高額となる年俸27億ウォンを提示して誠意を見せた。結局、新世界はSK野球団買収の本契約日である23日に秋信守の獲得という場外ホームランまで放った。
秋信守は、「これまで韓国に帰るなら(故郷チームの)ロッテでプレーしたい」と言って来た。しかし、秋信守は規定によって1年間は他チームへの移籍が禁止される。リュ・ソンギュ新世界野球団団長は、「契約を結ぶ中で、トレードの話はないということを確認した」と話した。
李憲宰 uni@donga.com · 黃泰皓 taeho@donga.com