Go to contents

マンション警備員が1000万ウォン入ったバックを拾って持ち主へ

マンション警備員が1000万ウォン入ったバックを拾って持ち主へ

Posted February. 20, 2021 07:40,   

Updated February. 20, 2021 07:40

한국어

「当然のことをしただけなのに、こんなに注目されて恥ずかしいです。お返しはカップラーメンで十分です」

釜山市沙上区掛法(プサンシ・ササング・クェボブ)第2次ハンシンマンションの警備員のキム・ヨングンさん(67)は19日、旧正月連休中に1000万ウォン以上のお金が入ったバックを拾ってすぐに入居者に返したことが明らかになると、このように話した。

キム氏は12日午後7時半ごろ、団地内をパトロールしていたところ、マンションの正門周辺でお風呂入りカバンを1つ見つけた。持ち主を探すためにカバンを開けてみたキムさんはびっくりした。バックの中に1万ウォン札、5万ウォン札と商品券などが入り混じっていたのだ。

キムさんはすぐに、マンション近くにある徳浦(トクポ)交番に拾い物を届けた。警察がお金を数えてみた結果、バックの中には計1632万ウォンが入っていた。幸い、カバンの中には持ち主の連絡先があった。連絡を受けて駆けつけてきた持主は、驚いた胸をなでおろした。カバンの持ち主はマンションの入居者であることが確認された。

警察はキムさんとバックの持ち主に、「紛失した現金を拾って返した人は、総額の最大20%を謝礼金として受け取ることができる」という規定を説明した。これに対してカバンの持ち主は、「ぜひお礼をしたい」と言ったが、キムさんは「入居者の落とし物を見つけて返すのは、警備員として当然すべきことなのでお礼などいただけない」と断ったという。

自宅に帰ったカバンの持ち主は、感謝の気持ちを伝えなければならないと思い、警備員らに必要な物品を探した後、カップラーメン20箱(120個)を手渡した。キムさんは、マンション団地内の各警戒所にカップラーメンを渡して、仲間たちと分けて食べた。

キムさんの同僚たちの間でこのような美談が広がると、入居者たちがマンション団地のあちこちにキムさんの美談を紹介する文を掲載した。掲示文の末尾には「所作福徳不応貪着」という文句がある。金剛経にある言葉で、「善いことをしても対価を望まない」という意味だ。

マンション入居者代表会議は、キムさんに賞牌と副賞を伝えることにした。

キムさんは、「たいしたことでもないのに、多くの方々から関心と称賛を受けて、むしろ恥ずかしい。励ましていただき、感謝する」と語った。とある入居者は、「最近は大変な生活を送っているのに、こんな温かい方が近くにいるという事実だけでも元気になる」と話した。


釜山=カン・ソンミョン記者 smkang@donga.com