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マーク・ザッカーバーグ氏が持つ力

Posted January. 09, 2021 08:15,   

Updated January. 09, 2021 08:15

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封切りした時、みんなが見ても私は見なかった。昨年夏、2Gフォンサービスが終了した翌日になってようやくスマートフォンに乗り換えた私は、これまでフェイスブックどころかカカオトークも使ったことがない。こんな私に「5億人のオンライン友達、最年少億万長者、ハーバード天才」といった文句が大きめにちりばめられた映画ポスターは関心外だった。そうするうちに、5億が15億人に増える頃に見た。

ハーバード大学2年生のマーク・ザッカーバーグは、傲慢で縁起でもないという理由でガールフレンドから振られた日、腹立ちまぎれに女子学生たちを外見で評価するインターネットサイトを作る。女子大生たちの写真を手に入れるためにハッキングし、女性を卑下したため、学校から警告を受けるが、彼は、「いたずらをしたことで大騒ぎか」と言い、「自分のおかげでセキュリティシステムが脆弱だということを確認したのだから、感謝しなければならない」と偉そうに言う。この出来事で彼の才能を見抜いた先輩のウィンクルボス兄弟が、斬新なアイデアを与えながら同業を提案する。ザッカーバーグは承諾すると同時に、友人のサベリンを訪ねて、そのアイデアを自分のものであるかのように語り、同業を提案する。「投資すれば収益の30%を与える」と。 そして、ウィンクルボス兄弟を追い抜いて「フェイスブック」を開設する。その後、フェイスブックがうなぎのぼりになると、ザッカーバーグは必要なくなった共同創業者・サベリンを追い出す。映画は、ザッカーバーグとウィンクルボス兄弟との訴訟、そしてサベリンとの訴訟を縦糸と縦糸のように織り込み、フェイスブックの誕生秘話を赤裸々に見せる。

映画を見た後驚いた。ポスターの広告文句と映画の内容が正反対だから。探してみると、米国ポスターには「何人かを敵にしなければ、5億の友達を持てない」と大きく書かれている。映画のテーマともぴったりだ。ところで、なぜ韓国では英雄を称えるような文句に変えたのか。そのためか、コメントにも「ザッカーバーグのようになりたい。うらやましい」というような感想が多くてぞっとした。

ますます若い財閥が増える傾向を見せている。アイドル歌手、スポーツ選手、そして情報技術(IT)の天才たちがそうだ。そのうえ、今は金が権力の時代だ。そのため、富を持つ者の人柄が非常に重要になった。ザッカーバーグは両親とも医者なので裕福に育ち、高い英才教育も受けたそうだが、本当に重要なことは逃したようだ。彼は告訴人と弁護士の前で、依然として「自分には過ちがない」として困難な質問は避けたり、そっぽを向いて不利になると、仕方なく合意をする。このような映画の中のザッカーバーグから12年が経った。氏は今や、世界ソーシャルネットワークの皇帝となっている。27億人の個人情報が彼の手の中にあり、その気になれば世界の世論を助長することもできる権力を持っている。私利私欲に陥らない正しい人間性がもっと切実な時だ。私だけの老婆心でないことを祈る。