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「大統領選を覆す票を見つけろ」トランプ氏、電話で要求

「大統領選を覆す票を見つけろ」トランプ氏、電話で要求

Posted January. 05, 2021 08:31,   

Updated January. 05, 2021 08:31

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退任を約2週間後に控えても大統領選の結果の受け入れを拒否するトランプ米大統領が、ジョージア州の州務長官に投票結果を覆すよう圧力を加える録音ファイルが公開された。大統領が肉声で州政府に圧力をかける通話が公開されたのは初めてで、ワシントン政界が動揺している。ジョージア州で5日に行われる連邦議会上院の2議席をめぐる決選投票の結果にも影響を及ぼすものとみられる。

3日、米紙ワシントン・ポストが入手した録音ファイルによると、トランプ氏は2日、ジョージア州の選挙管理責任者であるラフェンスパーガー州務長官に62分間電話をかけ、選挙結果を覆すのに十分な「1万1780票を見つける」よう要求した。保守指向が強いジョージア州は、伝統的な共和党優勢地域だが、昨年11月の大統領選でバイデン氏が1万1779票(0.25ポイント)差で辛勝した。 

この結果は、トランプ氏が当初、州政府が発表した選挙結果を受け入れず、手作業の票の再集計まで要求した末、確定した。それでもあきらめることができず、これより1票多い1万1780票を見つけて結果を覆すよう迫ったのだ。

 

トランプ氏は、「数千枚の投票用紙が廃棄された」、「同じ票が3回集計された」、「死んだ人の名前で投票された」と主張し、「このような刑事犯罪が起きてはならない。あなたが危険なこともある」と述べ、脅迫まがいの発言までした。また、「ジョージア州の人々や国民は怒っている。再集計をしたと言えば何も問題はないはずだ」と主張した。自身がジョージア州で負けたはずがなく、数十万票差で勝ったとも述べた。

トランプ氏はこの件が5日の選挙で共和党候補に不利に作用するとし、「選挙前に正せば、尊敬を受けるだろう。様々な面で見返りが非常に大きいだろう」と迫った。ラフェンスパーガー氏は、「大統領、問題はあなたのデータは間違っているということです。すでに票の再集計を行い、不正選挙はなかった」と反論した。

 

米メディアは、大統領が州政府の選挙管理責任者に開票結果を覆すよう圧力を加えたことは、実定法違反になる可能性があると報じた。反トランプで有名なアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(民主党・ニューヨーク)は「弾劾が可能な行為」と批判した。トランプ氏も3日、ツイッターで電話をかけた事実を認めた。トランプ氏は、「ラフェンスパーガー氏は投票詐欺、投票用紙の廃棄、死者の有権者などに関する質問に答えることができなかった。彼は全く分かっていない」と主張した。

トランプ氏とバイデン氏は選挙前日の4日、それぞれジョージア州を訪れ、両党候補の応援演説をした。共和党のケリー・ロフラー上院議員と民主党の黒人の政治新鋭ラファエル・ワーノック候補、共和党のデビッド・パーデュー上院議員と民主党のジョン・オソフ候補は、それぞれ誤差範囲内で激しい接戦を繰り広げている。政治専門サイト「ファイブサーティエイト」が3日、各種世論調査を分析した結果によると、オソフ氏は49.2%の支持率でパーデュー氏(47.4%)をリードしている。ワーノック氏も49.5%で、ロフラー氏(47.2%)に勝っている。

大統領選と同様、民主党支持指向が強い事前投票者の参加率、黒人有権者の結集の程度が状況を左右するものとみられている。昨年12月14日から今月1日まで行われた事前投票には、登録有権者700万人のうち300万人以上が参加した。これは、ジョージア州の決選投票史上最高の数値だ。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com