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「二重撮影」で皮肉った都市の二重性

Posted December. 23, 2020 08:17,   

Updated December. 23, 2020 08:17


エルメス財団が運営するソウル江南区(カンナムグ)アトリエエルメスが、フランス出身の芸術家・シプリアン・ガイヤール(40)の個展を開く。ベルリンを基盤に活動する新進作家のガイヤールは、フランス・パリ近郊から米ロサンゼルス、メキシコ・カンクンなど多くの地域の都市的風景を素材に作業してきた。今回の展示では、ポラロイド写真23点、彫刻2点、映像作品2点が披露される。

会場の柱となるポラロイド写真の一部は、今年2月初めにロサンゼルスで撮影されたものだ。新型コロナによる移動禁止が下される直前に出発した最後の旅行だった。作品は一度撮影した画面にもう一つの画面を重ねる「二重露出」手法を活用した。

そのひとつ「Everything but Spirits」(精神以外のすべて)は、スーパーマーケットのビール冷蔵庫の上に植物の写真を重ねた。ロサンゼルスで消費されているビールのうち、実際に南部カリフォルニアで醸造されたものはなく、植物もまた数多くの外来種で構成されている。根のない都市の風景を隠喩的に示す部分だ。

映像作品「黄金と鏡の都市」にも似た姿が登場する。メキシコの有名休養地であると同時に遺跡地であるカンクンを背景にしている。カンクンは、数千年前のマヤ帝国の痕跡をとどめているが、1970年代以降観光地として開発され、遺跡の上にホテルやナイトクラブ、ゴルフコースや高速道路が建てられた。

16ミリフィルムで撮影された作品は、米国の団体観光客がビキニを着て、強い酒を自慢に飲む姿を見せている。地元の歴史や文化には無関心のまま、遊興にふけるのだ。

国立現代美術館所蔵の映像作品「湖のアーチ」(2007年)は、友達との夏の水遊びをビデオカメラで撮影した。パリ郊外の建築物と人工湖を背景に、2人の青年が夏を楽しむ姿だ。そうしているうちに一人が湖に飛び込むと、浅い水で鼻が当たり顔が血まみれになる。演出なしに偶然に記録したこの映像は、新都市計画の一環として作られた風景の二重性を指摘する。展示は来年1月17日まで。


金民 kimmin@donga.com