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無人偵察機墜落、独自戦力の力不足が露になっても戦作権移管の日程合わせに汲々とするのか

無人偵察機墜落、独自戦力の力不足が露になっても戦作権移管の日程合わせに汲々とするのか

Posted October. 15, 2020 08:30,   

Updated October. 15, 2020 08:30

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韓国軍の独自の対北朝鮮監視能力の確保に向けた韓国型中高度無人偵察機(MUAV)事業の試製機2機のうち1機が試験運営中に墜落し、残る1機も結氷を防ぐシステムに欠陥があることが明らかになった。にもかかわらず国防部は、「制限的な運用」を条件に来年上半期のMUVAの戦力化を計画どおり進めるという。

軍の核心偵察兵器となるMUAV試製機2機に致命的な欠陥が明かになったという事実は、先端軍事力の開発がどれほど難しいかを物語る。最新戦力の確保のために韓国の技術的限界を越えるには、少なからぬ試行錯誤が伴う。すでに5000億ウォン以上が投入されたMUAV事業は4度も試験評価が延期になる迂余曲折を経たにもかかわらず、さらに大きな欠陥が明るみになったのだ。行く道はまだ遠い。根本的に日程そのものが無理だったのではないか見直す必要がある。

さらに大きな問題は、このような欠陥にもかかわらず、軍が戦力化の日程に固執していることだ。その理由は、戦時作戦統制権の早期移管と無関係ではない。政府は内部的に文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期、すなわち2022年5月までに戦作権の移管を成し遂げるという目標の下、条件を整えることにスピードを出してきた。MUAVの戦略化が遅れれば、北朝鮮の核に対応する戦力の確保にも支障が生じるため、欠陥があってもひとまず戦力化の日程から合わせようということだ。

韓米が合意した戦作権移管の3条件、すなわち韓国軍の連合防衛の主導能力、北朝鮮の核・ミサイルへの対応能力の確保、韓半島周辺の安保環境の造成のうち、どれも備わっていない。計画をより難しくさせる変数も突出している。新型コロナウイルスの感染拡大によって、今年の韓米合同軍事演習が縮小され、連合指揮能力第2段階の検証ができなかった。軍は来年の上・下半期に第2・3段階の検証を実施する考えだが、そのような拙速検証で条件を満たすことは期待できない。

今回明らかになったMUAVの致命的な欠陥で、2つ目の条件である北朝鮮の核に対応する能力の確保にも赤信号がともった。そのうえ、北朝鮮は10日の軍事パレードで新たな戦略・戦術兵器を公開した。このような武力示威を見ても、戦作権移管の安保環境が造成されたと評価することはできない。にもかかわらず、軍首脳部は日程が遅延すれば条件を修正できると発言した。国の命運がかかった安保問題だ。条件より日程に合わせるという主客転倒の危険な発想は、早く捨てなければならない。