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米民間宇宙飛行士の海上帰還、商業宇宙旅行の幕開けか

米民間宇宙飛行士の海上帰還、商業宇宙旅行の幕開けか

Posted August. 04, 2020 08:11,   

Updated August. 04, 2020 08:11

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世界初の民間有人宇宙船である米スペースXの「クルードラゴン」が、国際宇宙ステーション(ISS)から約二ヶ月間の任務を終えて地球に無事帰還した。特に1975年以降、45年ぶりに米国の宇宙飛行士が陸地ではなく、海上着水方式で帰還する「スプラッシュダウン」に成功した。米国の地で有人宇宙船が打ち上げられて帰還したのは2011年以来、9年ぶりのことで、本格的な商業宇宙旅行時代が開かれたという見方が出ている。

米航空宇宙局(NASA)とスペースXは、宇宙飛行士・ダグ・ハーレー氏(54)とボブ・ベンケン氏(50)が搭乗したクルードラゴンが、米東部時間の2日午後2時48分(韓国時間では3日午前3時48分)、フロリダ州ペンサコーラ近くの海に着水したと明らかにした。二人の飛行士は5月30日、このスペースシャトルに乗って宇宙に飛び、62日間ISSで宇宙遊泳、科学実験などの任務を遂行した。

クルードラゴンは1日午後7時半ごろ、南アフリカ・ヨハネスブルグの上空430キロの地点でISSから出発した。彼らは、カプセル胴体を分離させた後、大気圏に突入して1900度に達する外部の熱に耐えた。地球の海に近づくと、赤白の縞模様の4つの大きなパラシュートを広げて安定して降りてきた。海上で待機していたスペースXの船舶が近づくと、二人の宇宙飛行士とカプセルを船に載せた。この様子を見守っていたNASAやスペースXの状況室では拍手があふれ、二人の飛行士も親指を立てて歓声に応えた。

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターに、「宇宙飛行士たちが45年ぶりにスプラッシュダウンした。非常にエキサイティングだ」と書いた。スペースXの創業者イーロン・マスク氏も、「宇宙旅行が飛行機旅行のように一般化する時、人類文明の未来が保障されるだろう」と強調した。ジム・ブライデンスタインNASA局長は、「不可能だと思っていたすべてのことが達成できるという証明だ」として、官民協力とパートナーシップが、月や火星への私たちの大胆な挑戦を可能にするだろうと語った。

スペースXは、今年中に宇宙飛行士4人を宇宙にまた送り、来春にも宇宙船の打ち上げを続けていく予定だ。来年秋には、宇宙飛行士ではなく、一般人を宇宙に送る計画もある。スペースX最高執行責任者(COO)グウィン・ショットウェル氏は、「人々を定期的に地球の軌道に運び、月を超えて火星にも行かせたい」と語った。スペースXは現在、月と火星探査を目的とする高さ120メートルの大型宇宙船「スターシップ」を開発している。マスクCEOはずっと「人類の火星移住が最終目標だ」と強調してきた。

クルードラゴンの打ち上げ成功と帰還により、スペースXは、米アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が設立したブルーオリジン、英ヴァージンアトランティック航空の創業者リチャード・ブランソン氏が作ったヴァージン・ギャラクティックなどのライバル企業よりもさらにリードすることになった。両社はまだ、有人宇宙船の打ち上げには成功していない。各国政府ではなく、民間企業が主導する宇宙探査時代も大きく開かれるものとみられる。


兪載東 jarrett@donga.com