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戻らぬ専攻医と医学生、取り返しのつかない破局を迎えるのか

戻らぬ専攻医と医学生、取り返しのつかない破局を迎えるのか

Posted May. 23, 2024 08:40,   

Updated May. 23, 2024 11:47

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医学部増員政策に反発して病院を離れた専攻医1万3000人の復帰期限が過ぎたが、復帰した専攻医はごく少数だった。今年2月20日に病院を離脱した専攻医は、今月20日を過ぎると来年の専門医試験の受験資格を失うことになる。政府は、復帰期限の延長の可能性を残しているが、専攻医の未復帰への意志が強く、来年は2900人規模と予想されていた専門医の輩出が中断される可能性が高まっている。学校を離れた医学生たちも復帰の動きがなく、集団留年事態が現実味を帯びている。

1週間前、ソウル高等裁判所が、医療界の医学部増員執行停止申請に対し、棄却または却下決定を下した時、3ヵ月以上引きずってきた医療空白事態が大詰めの手順を踏むだろうという期待があった。政府は、「これ以上混乱がないよう、大学入試手続きを迅速に終える」と明らかにした。しかし、医療界は最高裁に再抗告した後、反発の度合いを強めている。裁判所の審理過程で、医学部増員2000人に対する科学的根拠が不足しており、医学部増員と配分の決定過程で会議録さえまともに残していない事実が明らかになり、政府が勝訴しても医療界を説得できず、医学部増員政策も推進力を得られずにいる。

専攻医と医学生が復帰しなければ、個人的には卒業と専門医の資格取得が1年遅れるだけに止まるが、医療界全体は回復不能の致命傷を負う恐れがある。専攻医への依存度が高かった一部の大手病院は、来月から職員の給与中断を検討している。専門医の輩出が中断されると、ただでさえ志願者が少なかった必須医療分野から麻痺し、医療脆弱地域を担当していた公衆保健医の需給にも問題が生じる。医学部の定員が予定通り1509人増えれば、集団で留年した学生まで一気に集まり、来年から教育と研修現場はそれこそ修羅場になるだろう。

このまま行けば、破局が明らかに見えるのに、政府はこれを防ぐ対策もなしに医学部増員を推進している。政府に「医学部増員の原点での再検討」を要求し、対話を拒否する医療界も無責任なのは同じだ。深刻な医療危機の事態に、政権与党と最大野党はなぜ黙っているのか。医学部の増員と必須医療改革に同意しながらも、増員規模に合意できず、国全体を混乱に陥れた政府の政策力量と韓国社会の異見調整の力量は惨憺たるものだ。大学入試選考の施行計画が確定する30日前に、何とか事態を解決しなければならない。