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政策の混乱を防ぐ「レッドチーム」が見えない

政策の混乱を防ぐ「レッドチーム」が見えない

Posted May. 23, 2024 08:42,   

Updated May. 23, 2024 11:46

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政府が国家統合認証マーク(KC)のない海外の一部品目の個人輸入禁止政策を3日で撤回したほか、またもや高齢者の運転者資格制限政策に雑音が生じ、政府の政策調整能力が俎上に載せられている。与党から、政府内に政策によって発生する可能性のある逆風と副作用を点検し、政策決定の過程で意図的に反対意見を出すレッドチーム(Red Team)の不在が政策の混乱を繰り返す主な原因であるとの指摘が出ている。さらに、政治感覚を備えた政策・行政の専門家が大統領室と政府各省庁に不足しているため、政策が現場でどのように受け入れられるかを判断する能力が弱まっているという指摘も出ている。4月10日の総選挙の大敗後、与党の執行部交代という過渡期的な状況が重なり、政策混乱の問題が大きくなる中、政府が国政運営能力を回復しなければならないという声が高まっている。

22日、大統領室内では、昨年3月に雇用労働部の労働時間改編案が発表された後、「週69時間勤務」論議が起きるや、李官燮(イ・グァンソプ)国政企画首席秘書官の傘下に若い行政官を中心にレッドチーム的な性格の非公式チームが結成されたことが分かった。しかし、このチームも最近の政策の混乱を防ぐ役割は果たせなかったという。与党関係者は、「政府で官僚組織特有の硬直性と垂直的な意思決定過程などが合わさって、『牽制とバランス』が失われている」と話した。別の与党関係者は、「過去には些細なことでもMZ世代の行政官の意見を聞き、レッドチームで意見を提示できる環境だった」とし、「しかし、レッドチームで意見を出せば官僚を不快にさせて敵ができるので、最近はレッドチームが萎縮するムードだ」と伝えた。

政府内の不協和音は、「空売り再開」をめぐっても明らかになった。最近、李卜鉉(イ・ボクヒョン)金融監督院長が「6月中の空売りの一部再開」を示唆し、市場が騒然となったが、大統領室関係者は、「空売りに対して政府は一貫した立場」とし、「違法空売りの解消、投資家の信頼システムが整うまで再開しないという立場に変化はない」と一蹴した。この過程で発生した混乱はそのまま投資家に転嫁された。


金埈馹 jikim@donga.com