Go to contents

米著名人のツイッターが乗っ取られ、仮想通貨詐欺

米著名人のツイッターが乗っ取られ、仮想通貨詐欺

Posted July. 17, 2020 09:59,   

Updated July. 17, 2020 09:59

한국어

オバマ前米大統領や、米大統領選で民主党候補に内定しているバイデン前副大統領、マイクロソフト(MS)創業者のビル・ゲイツ氏ら米国の政財界の著名人のツイッターアカウントが同時にハッキングされる事件が起こった。ハッキングにあった著名人には、米テスラ社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)、アマゾンのジェフ・ベゾスCEO、米バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット会長、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長、有名ラッパーのカニエ・ウェスト氏らも含まれている。

外信によると、ハッキング事件は15日午後、一瞬にして発生した。被害者のツイッターアカウントに仮想通貨「ビットコイン」を「ツイート内に書かれたアドレスに送付すれば、2倍にして返信する」という内容が投稿され、削除された。バイデン氏のアカウントには、「コミュニティにお返したい。この下のアドレスに送ってくれたビットコインを、2倍にして返します!もし1000ドル送ってくれたら、2000ドル送り返します。30分限定です」というツイートが投稿された。米アップル社や米ウーバー社の公式ツイッターアカウントにも同様の投稿があり、削除された。

これらのアカウントはフォロワーが多く、一瞬のうちに拡散した。ツイッターを分析したトレンドマップによると、「コミュニティにお返したい」という言葉は約4時間に3300回にわたってツイッターに投稿された。実際にハッカーが載せたアドレスに12ビットコイン(11万ドル相当・約1億3千万ウォン)の送金があったと、外信は伝えた。

ツイッター本社は、ハッキング事件の発生を受けて直ちに調査に入った。ジャック・ドーシーCEOは、「こうしたことが起こり、とても驚いている。何が起こったのかをより正確に把握できた段階で情報を開示する」と明らかにした。セキュリティー専門家らは、「この程度の規模の同時多発的なハッキングなら、ハッカーがツイッターの管理者のアカウントをハッキングしたようだ」と分析した。米連邦捜査局(FBI)も、「仮想貨幣詐欺行為のために一部のツイッターアカウントに問題が生じたとみられる」とし、「このような詐欺行為の犠牲者にならないよう気をつけてほしい」と呼びかけた。

ハッカーの正体はまだ明らかになっていない。過去の事例を考えると、ハッキング事件は経済制裁などでドルを必要とする国家の犯行である可能性が常にある。しかし、今回は単なるビットコイン詐欺団の犯行と推定されている。米紙ニューヨーク・タイムズは、「北朝鮮などがハッキングをしたなら、ただ金だけ取り出すよりも証券市場の衝撃や政治混乱を狙っただろう」と指摘した。ハッキングの被害者が特に民主党の要人や反共和党指向の企業家に集中したということからも、ハッキングの背景に関心が集まっている。

普段よくツイッターを使うトランプ米大統領がハッキングの被害に遭わなかったことは幸いだ。トランプ氏のツイッターは一般人と違って特別なセキュリティー装置が作動するという。米紙ワシントン・ポストは、「もしトランプ大統領のアカウントがハッキングされたりグローバルな安全保障状況に深刻な影響を与えるうわさが広がったなら、危険な結果が生じる可能性があった」と報じた。


兪載東 jarrett@donga.com