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コーチが語るキム・ジュヒョンの最年少優勝の舞台裏、「スイング修正の効果は大きい」

コーチが語るキム・ジュヒョンの最年少優勝の舞台裏、「スイング修正の効果は大きい」

Posted July. 16, 2020 09:14,   

Updated July. 16, 2020 09:14

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「ビュン、ビュン」

昨年12月、米国サンディエゴに位置するゴルフ練習場だった。まだ日が昇ってもいない静まり返った夜明け前に、ゴルフクラブを振る音が寂寞を破った。韓国ゴルフの新星、キム・ジュヒョン(18)だ。日曜なので、合宿をしていた他の選手たちは深い眠りについていたが、キム・ジュヒョンは大粒の汗を流していた。それから数ヵ月後、キム・ジュヒョンは韓国プロゴルフ(KLGA)コリアンツアーを揺るがしている。シーズン開幕2大会で準優勝と優勝を果たし、プロ最年少での優勝というゴルフ界に新しい歴史も刻んだ。

当時キム・ジュヒョンの傍には、昨年10月からコーチ契約を結んだイ・シウ・コーチ(39)がいた。イ氏は「ジュヒョンは初めて会った時から、子供なのに本当にボールを打つのが上手かった。ところがボールを当てる能力が優れていたから良いスコアを出していただけで、スイングは未完成のままだった」と話した。スイングの修正を勧めたかったが、間違えると混乱をきたしてスランプに陥ったかもしれないという。それでもキム・ジュヒョンは冒険を厭わなかった。イ氏は、「秘密なので公開は困るけど、スイング修正の効果は大きい」と笑顔で語った。

キム・ジュヒョンのゴルフ用品を支援する契約社、タイトルリストによると、キム・ジュヒョンの最大の悩みは弾道だった。ティーショットを打つ時、ボール先が常に上にそびえていたので、ドライバーと3番ウッドのロフト角をそれぞれ8.5度と13.5度ずつ下げて、自ら希望していたドロー球質を駆使するのに効果があったという。タイトルリストの関係者は、「キム・ジュヒョンは、同年の他の選手とは違って、クラブフィッティングをする時、ショットに関する正確なフィードバックとコメントの繊細さに驚いた」と振り返った。

キム・ジュヒョンは、国内でも海外合宿の時と同じように、自分に足りないと感じるものがあれば休みの日にも練習に励む。イ氏は「初勝利を果たした群山(クンサン)CCオープンが終わった翌日、すぐ私のところに来て『ここは失敗したので、この辺を補足すれば良さそうだ』と言っていた」とし、「アジアンツアーで優勝経験があるためか、国内舞台ではもう少し完璧な勝利をしたい気持ちがあるようだ」と伝えた。その上で、「ジュヒョンは16日から忠清南道泰安(チュンチョンナムド・テアン)にあるソラゴCC(パー72)で開催される「KPGAオープンwithソラゴCC」で最年少での2連勝タイトルを目指すので、良い結果を期待している」とも話した。

今季の韓国男子ツアーにキム・ジュヒョンがいるなら、韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーではパク・ヒョンギョン(20)がトップを走っている。キム・ジュヒョンが優勝した翌日、パク・ヒョンギョンは釜山(プサン)オープンを優勝で飾り、今季KLPGAツアーでは初めて2勝目を挙げた。パク・ヒョンギョンもイ・シウ氏と昨年10月からコーチ契約を結んだ。それぞれが所属するツアーで獲得賞金ランキングのトップに名を連ねたキム・ジュヒョンとパク・ヒョンギョンは、世界ランキング1位のコ・ジンヨンらと米国合宿にも同行している。

アマチュア時代から有望株として注目を浴びたパク・ヒョンギョンは、KLPGAツアー新人だった昨年は無冠に終わり悔いを残した。ツアー2年目を迎えて気持ちを軽くしたのが良い結果につながったという。イ・シウ氏は、「ヒョンギョンに一番多く注文したのは『優勝しなければという気持ちに囚われないで、持っている技量を最大限に出したい』と言う気持ちで臨みなさいと言ってあげた」と言い、「実際、今年は開幕戦から優勝へのプレッシャーを軽くしてゴルフを楽しんでいるよに見えた」と話した。

イ氏は「シーズン半ばに向かいながら、パク・ヒョンギョンが合宿練習の時に伸ばした飛距離が少しずつ落ちているようなので心配だ」とし、「大会が続く長期レースでは、リフレッシュの時間も必要になってくるだろう」と指摘した。


キム・ジョンフン記者 hun@donga.com