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清海部隊のホルムズ派遣、堂々と国会の同意を得よ

清海部隊のホルムズ派遣、堂々と国会の同意を得よ

Posted January. 22, 2020 07:54,   

Updated January. 22, 2020 07:54

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政府が21日、アデン湾に派遣された清海(チョンヘ)部隊の作戦範囲を一時的にホルムズ海峡まで拡大することを決めた。米国が要請していたホルムズ海峡への軍派遣をめぐって苦慮した末、アデン湾で活動していた清海部隊を投入する方法を選択したのだ。清海部隊は米主導の有志連合には参加せず、独自の任務を遂行し、必要に応じて協力すると、国防省は明らかにした。

政府の清海部隊のホルムズ派遣の決定は、同盟である米国の要請に応じつつ、イランとの関係も考慮した苦肉の策だろう。ホルムズ海峡に兵士を送るものの、米国とは距離を置き、足をかけておくという方法だ。韓国の海外同胞約2万5千人が居住し、私たちの原油輸送の7割を占める中東で、船舶の安全と自由航行に向けて韓国軍の独自の任務を遂行することを選択したのだ。

これまで、イランの挑発的行為に共に対抗してほしいという米国の要請は、在韓米軍駐留経費負担の増額要請もあり、韓国政府に大きなプレッシャーを与えた。喜んでではなく、やむを得ず応じるほかない立場だ。そのうえ、イランとの衝突を招く恐れがある決定は容易ではなかっただろう。イランは、韓国政府に軍派遣時は断交を覚悟するよう警告を出している。政府が事前交渉も行っただろうが、今後のイランの対応を注目せざるをえない。

実際、この法案は、米国の度重なる派遣要請により、昨年末に方向を定めておいたものだ。そして今年初め、米国のイラン軍部の実力者の除去とイランの報復攻撃で緊張が高まり、政府は決定を先送りにした。最近、米国とイランの緊張が小康状態に入り、派遣発表の適正な時期と見ただろう。しかし、今回の措置はあくまでも間に合わせの面が大きい。

不確実性と流動性が非常に高いホルムズ派遣だ。情勢が急変すれば、作戦の性格も派兵の規模も大きく変わる可能性がある。清海部隊はこれまで海賊遮断中心の海上作戦を行って小規模な武装集団を相手にした。しかし、ホルムズ海峡ではイラン正規軍の海峡封鎖やタンカーの拿捕・攻撃に対応しなければならない。それだけ危険も大きく、堅固な警戒と備えが要請される作戦だ。

政府与党は、既存の国会の清海部隊派遣同意に作戦範囲の拡大根拠があるため、同意手続きを再び踏む必要はないと主張する。しかし、最大野党も反対しない事案をめぐって国会を素通りするのは、総選挙を控えて支持層内の論議を避けようとしているのか、という疑いを買うほかない。派遣兵士が自分たちの任務に堂々と自負心を持つようにすべきだ。