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「前・現法王の司祭独身制を巡る対立説」の火を消し止めたベネディクト

「前・現法王の司祭独身制を巡る対立説」の火を消し止めたベネディクト

Posted January. 16, 2020 08:20,   

Updated January. 16, 2020 08:20

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既婚者への司祭叙階を許さない「司祭独身制」の必要性を強調した元ローマ法王ベネディクト16世(93)の共同著書が、真偽論争に巻き込まれている。共同著者である西アフリカ出身のロバート・セラ枢機卿(75)は、「ベネディクト16世の許可を得て、彼の名前を入れた」と主張したが、ベネディクト16世側は否定した。当初15日に発刊予定だった本の公開も延期された。

イタリアのアンサ通信などによると、ベネディクト16世の秘書であるゲオルグ・ゲンスヴァイン大司教は14日、「セラ枢機卿に、本からベネディクト16世の名前を削除してほしいと要請した。司祭独身制に関する様々な見解と投稿文を彼に渡したことはあるが、共著者の部分は承認したことがない」と主張した。続いて「本の発行前に、最終版の内容も確認していなかった」と、ベネディクト16世の名前、本の中に込められた彼のサインなども削除してほしいと促した。

「私たちの心の深いところで:司祭、独身主義、カトリックの危機」という名のこの本は、カトリックの伝統を守り、司祭独身主義も固守しなければならないという内容が盛り込まれている。論議が広がると、同日セラ枢機卿は、「ベネディクト16世の意思を尊重して、私の単独著書に変える。代わりに、本の内容は変更せず、彼は執筆に寄与したと書くつもりだ」と明らかにした。ただ、本がいつ発行されるかはまだ発表されていない。

保守性向のセラ枢機卿は、カトリック規律を定めて保護する法王庁敬信聖事部長官を務めている。2014年11月、フランシスコ法王(84)によって枢機卿に任命された。

今回の事態で、ベネディクト16世とフランシスコ法王との対立説も浮上した。アルゼンチン出身のフランシスコ法王は、「司祭が不足しているアマゾン地域などでは、独身制を廃止しなければならない」と主張してきた。前法王がこの本を通じて、現法王の路線に反旗を翻したのではないかという分析が出てきた理由だ。一部では、法王庁内の保守派が進歩性向のフランシスコ法王を攻撃するために、ベネディクト16世を利用したという陰謀論まで提起している。


金潤鍾 zozo@donga.com