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ストックホルムに向かった北朝鮮の金明吉氏、「米から新たなサインがあった」

ストックホルムに向かった北朝鮮の金明吉氏、「米から新たなサインがあった」

Posted October. 04, 2019 08:28,   

Updated October. 04, 2019 08:28

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5日に再開される予定の米朝非核化実務協議を控え、米国が一部の制裁を解除するという協議案に関する報道が相次いでいる。米国務省のビーガン北朝鮮政策特別代表が率いる米協議チームは、北朝鮮が出す非核化履行措置を受けて「相応の措置」として提案するオプションを検討してきた。

米ネットメディアのVOXは2日(現地時間)、「トランプ政権が北朝鮮の『寧辺(ヨンビョン)プラスアルファ(+α)』の見返りに、北朝鮮の石炭、繊維輸出制裁を36ヵ月間解除する案を設けた」と報じた。一部のメディアが7月、シンクタンク関係者の発言を引用して報じたが、国務省が「事実無根」と否定した内容だ。しかし、VOXは協議をよく知る2人の消息筋から聞いたとし、「これが米国が週末に北朝鮮側に出す提案だ」と伝えた。

VOXはまた、トランプ米大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との6月末の板門店(パンムンジョム)会談で、終戦宣言と韓米合同軍事演習の中止を約束したと伝えた。北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射は、このような約束に対する進展がないことへの苛立ちの信号ということだ。同メディアは、「トランプ氏が6月の板門店会談で、正恩氏に終戦宣言およびその後数週間内に韓米合同軍事演習を中止することを約束したが、守られていないと見ている」と分析した。

米紙ニューヨーク・タイムズは、米朝協議と関連して、「米国の官吏たちがトランプ氏が望む速やかな措置よりも、段階的なアプローチを含む新たな提案を出そうと努めている」と報じた。この中には、30~60個と推定される北朝鮮の兵器とミサイル拡張を続けられないようにする一種の「暫定核凍結(temporary nuclear freeze)」が含まれていると、同紙は説明する。

外交筋はVOXの報道について、「石炭、繊維の輸出制裁解除は、シンガポール会談の時から内部で様々なアイディアの一つとして議論された」としつつも、「ただし現在の焦点は制裁解除より体制の安全に合わされているため、実際に協議テーブルに上るかは未知数だ」と話した。特に、北朝鮮がSLBMを発射した直後なので、制裁緩和の議論が難しいかも知れない。

ビーガン氏は同日、ワシントンの駐米大使官で行われた「国軍の日」および「開天節(建国記念日)」記念式に参加したが、協議については触れなかった。ただし祝辞で、「私たちは韓半島に新たな歴史を創造するための偉大な外交的計画に着手した。住民に恒久的で持続的な平和をもたらすだろう」と述べた。

実務協議で北朝鮮側の代表を務めるとみられている金明吉(キム・ミョンギル)前駐ベトナム大使など北朝鮮代表団4人は3日午後、北京の首都空港を経由してチャイナエアーCA911便に乗ってスウェーデン・ストックホルムに向かった。同日、首都空港に到着した金氏は記者団に、「米朝実務協議に行く」とし、「米国からの新たなサインがあったことで大いに期待しており、成果を楽観している」と強調した。

実務協議の北朝鮮側次席代表とされるクォン・ジョングン前外務省米国担当局長と北朝鮮のチョン・ナムヒョク米国研究所研究家が金氏とともにストックホルムに向かったとみえる。チョ・チョルス新米国担当局長とみえる人物も空港で目撃された。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 北京=ユン・ワンジュン特派員 lightee@donga.com · zeitung@donga.com