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三星電子を訪れて打ち出した「文在寅流産業政策」、これだけでは足りない

三星電子を訪れて打ち出した「文在寅流産業政策」、これだけでは足りない

Posted May. 01, 2019 07:55,   

Updated May. 01, 2019 07:55

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨日、半導体を製造する三星(サムスン)電子華城(ファソン)事業所を初めて訪れた。文大統領は、「システム半導体分野で2030年までにファウンドリー世界1位とファブレス市場シェア10%を達成して、総合半導体大国に跳躍する」というビジョンを発表した。国内外経済が厳しい状況の中、大統領が直接韓国代表企業を訪問して支援策を発表したのは、企業の投資意欲を蘇らせるのに貢献するだろう。

政府は、メモリー半導体に比べて脆弱だったシステム半導体のすそ野を拡大するために、研究開発に1兆ウォンを支援することにした。また、設計専門企業に公的需要を創出し、高麗(コリョ)大学と延世(ヨンセ)大学に半導体部門を新設するなど、人材育成にも力を入れることにした。政権3年目に入って、遅ればせながら重点産業の育成に乗り出したのは幸いなことだが、まだ不十分だ。政府は電気自動車、ロボット、バイオヘルス、航空宇宙、エネルギー、新素材、ディスプレイ、半導体を8大重点新産業に選んでおり、今後も様々な支援策を出さなければならない。

韓国は朴正煕(パク・ジョンヒ)政権以来、輸入代替国産化と重化学産業の育成など、強力な産業支援政策を通じて「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる経済発展を成し遂げた。ところが、1997年の通貨危機以降、すべてのことを市場に任せ、政府は規制だけ緩和すればいいという新自由主義の論理が流行し、事実上産業育成政策が消えた。しかし、インターネットが米国の軍事用ネットワーク開発から始まったように、一国の産業競争力は、政府の基礎科学研究や公共購入のような政策とは切り離せない。

最近、自由市場経済の尖兵だった米国までが自国産業と技術保護のために、欧州、中国、日本と露骨な貿易紛争を引き起こすなど、新重商主義時代が到来した。中国は、「製造業2025」を通じて、長期的にドイツ、日本の製造業を越えるという計画を立てて、自国産業の育成に全力を尽くしている。韓国のように隙間に挟まった小さな国こそ、重要な産業育成と経済発展に政府のリーダーシップが重要だ。

第4次産業革命の時代には、創意的人材育成と技術革新がなおさら重要と言える。勝者独占と雇用転換にも拍車がかかるだろう。新しい産業を切り開く一方、社会的弱者の立ち直りを支援する政府と社会の役割が重大だ。未来先端産業の活路を開き、社会的に積極的に支援する政策に、さらにスピードを上げなければならない。