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伯父さんの贈り物

Posted April. 04, 2019 07:59,   

Updated April. 04, 2019 07:59

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アーモンドの花は、長い冬を乗り越えて、春先に一番先に咲く。「花咲くアーモンドの木」は、ゴッホが自分の甥に与えた最初のプレゼントであり、彼の37年の人生の最後の春に描いた最後の花の絵である。

1890年2月、サンレミ精神病院に入院していたゴッホは、弟テオから男の子が生まれたという嬉しい知らせの入った手紙を受け取った。「前に述べたよう、子供の名前は兄貴の名前にちなんでつけた。そして、その子は兄貴のように毅然として勇敢になれればという願いも込めた」。「健康、幸せ、成功、そのうちのどれ一つとして持っていない自分の名前を甥が引き継ぐことになったことが、申し訳ない一方で、ありがたく思ったゴッホは、甥のための贈り物としてきれいな花木の絵を描いた。青い空を背景に、ピンクと白の花の咲いたアーモンドの木の絵だった。彼はアルルに滞在していた時から、多くの花木の絵を描いたが、このように近くで花とつぼみを観察して描いたのも、このように明るい色を使ったのも初めてだった。ゴッホ自身も、辛抱強く描いた最高の作品だと思った。東洋画を連想させる大胆な構図、木の枝の太い輪郭線、遠近法の不在、明るい色彩、平べったい背景などは、当時の印象派画家たちの間で人気だった日本の木版画から影響を受けた。

絵を受け取ったテオは、「あまりにも美しい」とベビーベッドの上にかけた。早春に咲くアーモンドの花は、新しい命と希望を象徴する。また、アーモンドの木は、復活の象徴として知られている。ゴッホは逆説的にも、最も暗く苦しかった時期に最も希望的で明るい絵を描いたことになる。5ヶ月後、彼は拳銃自殺で生を終え、一生「兄貴頼り」だったテオも、6ヶ月後に兄の後を追った。赤ちゃんのヴィンセントはどうなったのだろうか?伯父からもらった花の絵を一生大事にしていた彼は、後日、ゴッホ美術館を建てて、伯父のすべての遺作と一緒に寄贈した。伯父から受け継いだ名前と世界の人たちが訪れる美術館を作った甥の姿を、画家ゴッホは果たして想像していたのだろうか。

美術評論家


シン・ムギョン記者 yes@donga.com