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マイナスイオンとラドンベッド

Posted May. 19, 2018 08:26,   

Updated May. 19, 2018 08:26

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1990年代、国内にマイナスイオンのブームが起きた。震源地は、「マイナスイオンが細菌を殺し、空気を浄化する」という話が初めて出てきた日本だった。血液浄化、細胞活性化、痛みの軽減、免疫力強化、ストレス解消まで、マイナスイオンの効果は、拡大再生産された。マッサージ機、シップ器、ネックレスからショーツ、石鹸、芳香剤、入浴剤、黄土オンドル、カーペット、壁紙まで、多種多様なマイナスイオンの製品があふれ出た。

◆最近、ラドンを巡る議論を誘発したテジンベッドのマットレスのうち、7種から基準値を超える被ばく線量(人体が受ける放射線量)が確認された。原子力安全委員会の再調査の結果、一部のベッドでは年間許容量基準値である1mSv(ミリシーベルト)の9.35倍に達する放射線が測定された。私たちが胸部レントゲン撮影を一度すれば0.1~0.3mSvの放射線が発生する。韓国人の平均自然放射線の露出量は3.6mSvである。今回のベッド放射線の原因は、マットレスのスポンジに使用したマイナスイオン物質のモナザイトだった。

◆ベッドで放射線が確認されると、消費者たちは驚きと怒りを現した。メーカーは、6万1000個のベッドをリコールしたが、韓国消費者院には集団紛争調整申請などの問い合わせが相次いでいる。韓国消費者団体協議会は、「原子力安全委員会は、放射線は安全だと中間発表をしておいて、5日後に基準値を超えたと発表して、消費者を混乱に陥れた」と批判した。続いて、放射性物質発生の恐れの高い生活用品を全面調査し、対応策をまとめるべきだと促した。

◆科学界では、マイナスイオンを似非科学と呼ぶ。マイナスイオンの科学的効果が立証されていないからである。米原子力規制委員会は、モナザイトなどを使って作ったマイナスイオン製品は、取得すれば直ちに廃棄するよう勧めている。原子力安全委員会が今年初めに発表した「生活周辺の放射線安全管理の実態調査結果報告書」によれば、マイナスイオン物質から放射線が出ることを適示している。それでも政府は、これを放置してきて、今になって調査をするという。現在流通しているマイナスイオン製品は18万個に上る。


李光杓 kplee@donga.com