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「平昌五輪の安全を守る」 警察特攻隊員が語る五輪への思い

「平昌五輪の安全を守る」 警察特攻隊員が語る五輪への思い

Posted December. 15, 2017 11:25,   

Updated December. 15, 2017 11:27

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最低気温が氷点下19.3度。肌寒い風まで勘案すれば、体感気温は氷点下30度に近かった。このような酷寒の中でも訓練の熱気は熱かった。

「オリンピックテロ、容赦しない」

寒波が吹き荒れた12日、江原道平昌郡大関嶺面(カンウォンド・ピョンチャングン・テグァルリョンミョン)の「平昌五輪プラザ」。2018平昌冬季五輪の開閉会式が行われる会場で対テロ総合訓練が実施された。

警察、軍、消防など8機関が合同で行われた訓練で、対テロ要員たちは、車両突進やドローン攻撃などに備えた訓練をはじめ爆発物の処理や人質の救出など、実戦を彷彿とさせる対応態勢を披露した。

訓練参加者のうち、京畿北部警察特攻隊所属のA巡警(29)の気持ちには特別なものがあった。故郷の江陵(カンヌン)と近くの平昌(ピョンチャン)で開催される五輪大会の対テロ任務を任されたという重い責任感と大会の無事開催に貢献しているというプライドを感じているからだ。しかもA巡警は、スキーとスノーボードを楽しむウィンタースポーツのマニアだ。

A巡警は軍隊生活を除いては、江陵で生まれ育った生え抜きだ。両親を含めて家族は、まだ江陵に住んでいる。警察生活も最初は2015年4月から江陵警察署で始めた。A巡警は、今年5月、京畿北部警察特攻隊に志願して選出された。肉体的には厳しいが、普段憧れていた仕事だったうえ、五輪の対テロ任務まで任されることを知ったからだ。

「特攻隊という新しい組織で勤務することは、一種の冒険のように感じられました。ましてや五輪の安全を守る仕事なんて滅多にない機会ですからね」

警察特攻隊は強靭な体力や武術の実力を備えた最精鋭要員たちを集めた組織だ。A巡警は優れた体力はもちろんのこと柔道2段の武術の実力まで認められ、1.91倍の競争を勝ち抜いて27人の合格者リストに名を連ねた。

4週間の基本教育を終えて同僚たちと一緒に対テロ訓練を受けた。ヘリコプターからのロープ下降やラペリング、特攻武術など肉体的に厳しく危険な訓練の連続だったが、無事終えることができた。そして、12日には五輪会場に初めて投入され、実戦並みの訓練を行った。プレッシャーもあったが、これまで磨いてきた実力を遺憾なく発揮することができた。

A巡警は、五輪前まで実戦と同じような訓練を何度も行い、来年1月から平昌五輪の現場に配置される予定だ。五輪が終わるまで一瞬も気が抜けないが、五輪の成功に貢献していると感じているため、やり甲斐も大きいという。

A巡警はソウル五輪が開催された1998年に生まれた。韓国で30年ぶりに開催される五輪に、選手ではないが、選手の安全を守る使命を帯びて参加する。五輪が終われば、「特攻定員として京畿北部と江陵地域の対テロ任務にあたる予定だ。

「一瞬たりとも油断せず、どんなテロも発生しないよう最善を尽くします」

今回の五輪で、A巡警の目標は言うまでもなく「安全な金メダル」だ。



李仁模 imlee@donga.com